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宝塚花組バウ「Victorian Jazz」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚バウホール花組「Victorian Jazz」
2012年11月18日(日)11時 8列




花組バウホール公演に行ってきました。
何が注目って、初主演の望海さんとオリジナルデビューの田渕先生ですわ。

感想は、どちらも「初」とは思えない安定感。いや~安心して心から楽しめますね。
望海さんの歌と芝居に鳳さんの芝居の上手さ、桜一花さんの迫力ある演技。
主役は間違いなくナイジェル(望海)さんだけど、たくさんの人に見せ場のある演出、
見せ場のある人はみんな外さない芝居。そして「お金払って聞きたくない歌」が無い。
ちょっとミステリー風でハラハラさせつつ無理の無いストーリー展開、
小道具が効果的に使われ、伏線は張ってあってそれはきちんと回収されている。
真剣な場面は迫力があり、でも続くとが重くなりすぎないように、
要所要所に適度に笑える場面がたくさんあり、いっぱい笑わせてくれる。
そして作品を通じて「作者が伝えたいこと(主題)」もさり気なく描かれていた。
佳作ですわ。田渕作品、これからも見に行きたい!!と思いました。
そして望海さん、真ん中似合うし、何より芝居しつつ歌えるスターは貴重だ。
私は主演者・演出家、どちらも大満足しました!





ヴィクトリアン・ジャズ」 作・演出 田渕大輔 


面白かった。見てよかったわ~と思えるレベル。
なんか主演も演出も「初」なのに、良い意味での安定感が漂うのがすごい。
ストーリーの先行きにハラハラはしても、舞台の人を見てハラハラしないのがいい。
「?」が浮かぶ台詞も不愉快な台詞も無いし、不自然な場面も無い。
カーテン前の台詞がちょっと多い印象があるけど、まあ許容範囲。
台詞はとっても凝っていて、映画みたいな台詞もいっぱいあった(様な気がする)。
真剣な場面もあるけど、ぐーっと引き込まれてしまって息も出来ないってことはなく、
シリアスっていっても人生考えさせられる程の重苦しい深刻さはないので、
ビクトリアン時代の華麗な衣装を堪能しつつ、気楽に気軽に楽しく見るには
ちょうどいい感じ。一人で見るより誰か(ファンじゃない人)と軽く見るのにいいねえ。
デートにいいかも。こういう作風って、とっても大劇場向きかな~と思うので、
田渕先生が大劇場デビューされるのが楽しみですわ。

あと歌ですが、主役が歌えるからか結構な難曲揃いな印象。
台詞が歌になってて、その歌が複雑なメロディでジャズでって感じ。
皆さん結構苦労してたような。でも今回珍しく(笑)男役が歌える人が多かったから、
娘役のほうが歌えないな~と思ったの。
ヒロインは3名いたけど、一番歌えていて聞かせてくれたのが桜さん。
主役の恋人サラの桜咲さんと、皇太子の恋人アリスの仙名さんはいまひとつ声が
でてなかった。特にアリス役は美穂圭子さんとか美々杏里さん風のふてぶてしいまでに
迫力のある声が欲しいところ。ヒロイン風の可愛い声は役にあってない気がしたのでした。
ま、でも全体では歌レベルもとっても高かったと思います!!


ナイジェル・カニンガム(望海
ヴィクトリアン調のすその長い上着が似合うね。黒のマントもいい。カッコいいよ。
奇術師で霊媒師で・・という怪しい職業なんだけど、なんか品良く見える人だ。
詐欺師まがいの事をやってるけど、根は善良な人。女王と会っても気後れしないし、
結構な良い家庭でお育ちでは?と思わせる雰囲気ですね。
(一緒に見た人は「ナイジェルって、いまならメンタリストだね」といってました。へー)

今回、ちゃんと主役でした。「恋」と「友情」と「冒険」というヒーローの王道を
こなし、巻き込まれ型といえるが割と能動的に動いてる。えらい。
恋はちゃんとラストにラブシーンがあったが、・・なぜサラが好きになったかが
描かれておらず(多分)、二人が恋に落ちる過程をもう少し見たかったな。
一方の友情のほうは、過程から二人の心理関係がきちんと描かれれあった。
この作品の比重は、友情>恋 なのか。(実は【友情>冒険>恋】のような気も:笑)
ヒロインは彼の恋人になるサラだと思われるが、ナイジェルの内心からすると
一番心に締める比重が大きいのはドイルだと思う。主役の相手役という意味での
ヒロインならドイルですね(言い切ってしまった)。
ついでに、作品上のヒロインはヴィクトリア女王だった。
(だからか、パンフの写真、1枚は望海さんだけ。ヒロイン&2番手無しなのね)


望海さん、やっぱり歌えるね。安心して聞いてられる。お芝居も良いわ。
立派なスターさんだ。次も楽しみ!


アーサー・コナン・ドイル(鳳
いわずと知れた探偵小説の大家。でも大作家になる前のお話。ドイルってこんな人?
と作品イメージからすると???な人物像だけど、作品にはあってる。
今回大活躍。2番手としてプログラムに写真が載ってもおかしくない活躍よ。
鳳さんってこんなにお芝居が上手い人だったのね。今まで全然気づかなかった。
(私が良く見ていた真飛時代は望海さんでも余り大きな役がなかったもんねえ)
いや~芝居の間がいいわ。歌もいい。魅力的な役者さんだ。
望海さんと並んだとき、とても似合ってる。(柚香さんが入ると顔の大きさが違う・・)


サラ(桜咲
駆け出しの新聞記者。(ちょっと『記者と皇帝』(宙バウ)を思い出したな~。)
なんかナイジェルのストーカーみたいなんだけど、いつの間にか恋人に?
その辺が省略されてて、良く分からん。
ダサいドレスのめがねっこ、んでやってることはストーカー。
ナイジェルは彼女のどこに惚れたのか?めげない根性?気の強さ?
メガネを取ると実は美少女なとこ?(昔の少女まんが:笑) 
まあ、探偵のように大活躍してナイジェルを助けてあげましたから。
桜咲さんって声がちょっと月野姫花さんに似てる。紫城るいさんとかと同じ系統。
可愛かったけどね。容姿はOK,歌も歌えてると思うので声量だけかな。
しかし「サラ」は普通ならヒロインといってもいい存在だと思うのだけどな。
なぜヒロイン不在orヒロイン3名並列にしたのかしら。


ヴィクトリア女王(桜
作品上でのヒロインはこの方。ゾフィー皇太后(『エリザベート』)のような迫力、
立派な女帝に見えました。一国を背負っている重みがある。上手いなあ。
女王としての台詞、母としての台詞、妻としての台詞が全部調子が違うの。
素晴らしい演技力だと思ったわ。ヴィクトリア女王が舞台を締めてくれてました。
いい役者さんだ。こういう役者が居ると舞台のクオリティが上がるよねえ。
しかしこの学年でこの迫力は納得できるとして、フィナーレではいまだに可憐なのは
何なんだろう?怖いわ。この人は年齢が自由自在なのか~羨ましいな。
2幕にすごいソロがあるけど、本当、娘役の中では一番聞かせてくれました。上手い。


エドワード皇太子(柚香
今回は大変情けないマザコンの皇太子像でした。
お髭の似合うお顔、は凛々しくてすごいイケメン!
出てきた瞬間、きゃ~♪♪♪となりそうなスラリとした美形。ひとり頭身が違う!
なのに中身はヒョロヒョロのマザコン坊や。そのままだった。見かけはいいのに、
しゃべるとヨロヨロ。これは役作りなのか、役者の力がこのあたりなのか、
役に似合いすぎてて分かりませんでした。ただ歌が弱いのは良く分かった。
素晴らしい見た目をしているので、歌とお芝居とダンスをもっと頑張って欲しいなあ
と思える逸材(容姿が)ですわね!(↑全部やん・・オイオイ)
しかし、桜女王と柚香皇太子を見ていると、どうしてもゾフィー皇太后とルドルフに
見えて仕方ありませんでした。お祖母さまが大人になるまで育てた大人のルドルフと
お祖母様が一緒の場面があったらこんな感じだったのかな・・とか思いました(笑)
皇太子があれじゃやっぱり滅びるのは必至ね!(大笑)
→あら英国王朝は継続してるからエドワード皇太子はあれじゃまずいのじゃなくて?
は!エドワード8世が憧れた「世界中にお友達♪」なお祖父様って彼のこと。納得。


アリス(仙名
今回は皇太子の恋人だけど、実は・・・・という大変重要な役の人物。
その割りには印象薄い。もっと迫力が欲しい、その一言に尽きる。
したたかな強さ、女を武器にした女の強さが欲しい役だと思うのです。
だから歌も、ヒロインのように可愛い声で可愛く歌っているのに違和感がある。
美穂さんや美々さんのように、ドスの効いた声で大音量で歌ってほしいの。
(いや私の希望ね。田渕先生は違うのかも知れない。)
皇太子の前で可愛くしてても、どこかに陰影が見える芝居がほしいな。
例えるなら『ガラスの風景』のリーザ・クレマン夫人(秋園)みたいな。
(これは秋園さんの超当たり役で、裏ヒロインというべきすごい役だったけどね)
コメディチックにするなら、余計にその落差が欲しいところ。
じゃないと、最後に「え???」で終わってしまう。だから印象薄いの。
アリスがあれじゃ、何も気づかない皇太子が余計にボンクラに見えてしまふ。
仙名さんには期待していたので、ちょっと残念でした。


ワトキン(高翔
実は・・・な国会議員。これも高翔さんに合ってるとは言いがたいなあ。
この方、持ってる雰囲気が優しいのだわ。(もと雪組長の飛鳥さんもそうだね)
逆に持ってる雰囲気が怖い人(例:夏美元組長とか、かつての矢吹さんとか)は
こういう役が嵌まるだろうなあ~と思う。このくらいの年になると、持ち味を
大事にした配役にして欲しいもんだ。
ワトキン&アリスがさ、夏美ようさん&花野じゅりあさんだったら・・・?
全然印象違うよなあと思う(すっごいコワイよ)。
あの桜女王と対峙するには、高翔&仙名はとても善良すぎるのだ。


侍医(彩城
ヴィクトリア女王の侍医というか侍従?ずっとそばに居るの。
あまり医者らしきことをしてなかったので、プログラム見てちょっと驚き。
動きも「若い人が頑張ってる老け役」というのが良く分かる、ちょっと新人公演風。
しかし!彼はとっても歌が上手かったのだ。いいねえ~!
いや驚き。もっと似合う若い役でも見てみたい人です。



<豪華な客席>
今回の観劇は、7列目(私の前)に、花組トップスターご一行様がご着席。
蘭乃はなさん、蘭寿とむさん、花野じゅりあさん、春風弥里さん、夕霧らいさん
華耀きらりさん、月央和沙さんという並びだったと思う。(前がこれじゃ気が散るわあ)
見事な香盤順だが(推定だけど)、なぜか蘭寿さんだけ両手に花(笑)
場内がちょっと暑くて、蘭寿さんが上着を脱いだ。邪魔になるバッグは花野さんが
すばやくおひざに受け取り、蘭ちゃんが脱ぐのを手伝う。早変わりか?!ってぐらい
連携プレーが凄いなあ~と、うしろからこっそり観察させていただきました。
上着を脱いだ後、蘭寿さんの服の後ろの襟がほんの少し乱れていた。
が、蘭ちゃんもじゅりあさんも気づいてない!? わ~私が直してあげたい。
しかしそんな隙も無く、蘭寿さんは自分でさっと直してしまいました。
さすがトップスター、後ろにも目が付いてるんだ。なんか感動したぞ。
近くで見る蘭寿さんはそりゃあ美人だ。舞台で見るよりずっと女性らしい美女だと思う。
じゅりあさんも美人だ。蘭ちゃんは凄く細くて可愛いね。
(そっちばかりチラチラ見てたら首ひねって痛くなったわ。客席ほとんど同様でしたが)
スカイステージで見たお手製うちわ(豪華)を、後ろの席の邪魔になららないように
こっそりとフィナーレで振ってアピールする夕霧さん(推定)が愛おしい。

カーテンコールで、望海さんが、「今日はわれらが花組トップスター蘭寿とむさん
率いる「Streak of Light-一筋の光―」チームが見に来てくださいました(要約)」
というご紹介。それに応え、蘭寿さんが「おー!!」と手を上げて気勢を上げる。
客席も沸いた。わ~と盛り上がったとき、舞台の望海さんが「・・・楽しみです」。
真面目な小学生が学級会で言う遠足への抱負のような朴訥な言い方に、なんか笑った。
蘭寿さんも客席も爆笑していた。花組、明るいなあ。




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コメント 2

ナオミ

えりあさん、こんにちは。
田渕先生は期待大なのですね。嬉しい~
私は観劇歴が短く、まだ宝塚のことをよく知りませんが、演出家の先生の力量って本当大事ですね。
ジェンヌさんたちのよさを引き出せる演出だと本当に素晴らしい作品に仕上がりますもんね!
あと伏線がきれいに回収され、破綻していないストーリー。
まさにえりあさんに同感です。これからも優秀な演出家先生が輩出されること、熱望しています!!
by ナオミ (2012-11-20 17:25) 

えりあ

ナオミさん

こんばんは。田渕先生、良かったです!
なんか一生懸命な熱さや拘りやなんかも見えますが(多分もっとこなれてくると、このあたりが「さりげなく」なるんだろうなあって思います)作品の作り方は好きです。世界観も構成も演出も脚本も配役も。衣装も良かったですし、今回は奇術師霊媒師が主役だからか、小道具がとても凝ってました!

原田先生もバウ良かったし(やや主役集中な作り方でしたが)やっぱり若い感性と情熱は大事だわ~と思いました。若い方々が素敵な作品を生み出す演出家になってくださること、私も熱望してます。宝塚を楽しむには「座付き」の優秀な演出家が一番大事な基本前提かな~なんて。
by えりあ (2012-11-21 22:37) 

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