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「1789~バスティーユの恋人たち」梅田初日 [観劇感想(その他)]

「1789~バスティーユの恋人たち」
2016年5月21日(土)17時 梅田芸術劇場 3階6列サブセンター


とてもよい!という評判だったので、何とかして見に行きました。
大阪初日です。

いや本当によかった!!同じタイトルの作品を過去宝塚で見たことがあり、
そのとき感じた違和感の正体が判明、今回は素晴らしく嵌っている!
これはもともと宝塚向きじゃなかったんだ・・東宝ミュージカル向きなのよ。
と思いました。ダンスも歌も素晴らしかったし、演出も衣装も小池先生らしく。
大変満足しました。もう1回(どころか2回も3回も、全キャスト)みたい!!!
と帰路、心の中で絶叫しました。

201605-1789.jpg

ネタばれあります。盛大に。



ミュージカル
「1789~バスティーユの恋人たち」
潤色・演出 小池修一郎


「1789」の日本初演は宝塚月組公演だった(フランス版は観てない)。
そのとき、ロナンやアントワネットに感じたぬぐえない違和感。
ロナンとアントワネットに関係性を見いだしてしまい(邪念)、
宮廷場面の多さにストーリーに疑念を感じ、ラストシーンの違和感はそれまでの
物語り全てが吹っ飛ぶほど、であった。
それが、今回は全然無い。

ロナンのストーリー、つまり田舎の農民出身の無学な青年がパリで革命の波に遭遇し
いままで疑念に思わなかったことに目覚めていく。革命の根の部分を表現する、
いわば物語の芯となる縦糸パート。
そしてもうひとつの革命の波、それは宮廷の中にあり、国王夫妻を落としいれようとする
貴族勢力の陰謀、根の革命派からは忌み嫌われ、打倒の象徴たる王妃アントワネットと
国王ルイ16世の人間性を、彼らを慕いながらそれでも革命に身を投じる
下級貴族出身で王家に傍近く仕える女性オランプの視線を通じて描き出す、
横糸パート。
この縦糸と横糸を上手くつなぎ絡めていくのが、秘密警察の3人。
狂言回しの進行役でありワンポイント息抜きの場面転換まで担当する。

この物語は、王家や貴族でもなく、革命家でもなく、名もない民衆の視点から
フランス革命を描いた作品だと思う。だから革命家も当然出てくるが、
主役は貧しい無学の農民の青年ロナンなのだ。
ロナンと一緒に働く印刷所の貧民出身の青年たち、ロナンの妹と
その友人である娼婦や貧しい女たち。彼らの代表がロナンであり、彼らが主役。
ロナンとソレーヌが戸惑いながら、試行錯誤しながら、革命の理念を理解し、
自分たちの権利と力を知り、力を行使して権利を勝ち取るまでの、
思想的な目覚めと、実際の行動の物語。
今回は圧倒的にロナンが主役。
そしてロナンを目覚めさせる役割のロベスピエールと仲間たち。それだけなら、
ロナンは王家と貴族を滅ぼさんとするほどの過激な革命家になっても不思議は無い。
だが一方、ロナンに葛藤を生じさせたのが、貴族の娘オランプの優しさと正義感、
人間としての憐憫の情。オランプの父が示した信頼と行動。
それらはロナンや革命軍の目指すものでも有ったため、「哲学」を知った
ばかりのロナンに迷いが生じ・・。
オランプにはオランプの心情があり、愛するもの守るものがある。
それは自分とは違うもの、だがオランプの思いも理解でき・・とかなり葛藤する。
結局オランプが、王家を辞去してロナンを選び、ロナンは彼女と革命後の
未来を思い描く。
この物語のラストシーンがフランス人権宣言とういのは、本当に象徴的であった。
マリーアントワネットは、処刑直前の姿(灰色の質素なドレスと短く切られた髪)
なのは、革命が勝利した象徴である。周囲の貴族がそのままの姿なのも、
外国への逃亡を意味し、味方のいなかった孤独な王妃を表現しているように見えた。

これで終わり。
カーテンコールでは、マリーアントワネット役の花總さんの衣装は、
オランプと別れるとき、オランプに愛を選ぶよう諭す場面で着ていたドレス
それまでの豪華なドレスに比べれば大変質素な、でもマリアテレジア女帝が
見れば褒めてくれそうな、王妃らしい気品のあるドレスであった。
これもよかった。
ラストシーンは、「王妃の義務」に目覚めたフランス王妃マリーアントワネットの姿で、
嬉しい。これこそ、オランプが敬愛したマリーアントワネットの姿。

・・そう、宝塚版での違和感は、ラストのラスト(一般演劇のカーテンコールに当たる場面)で
マリーアントワネットが、登場時つまりギャンブルに深夜パーティと遊び狂っていたときの
超豪華な派手派手ドレスを着て、舞台奥に超然としてそびえていたから。だから革命が
成し遂げられたという気が全くせず、もやもやが残ってしまったのだと思う。
主役であるロナンにしても、妙に衣装が美しく(まあ龍さんはトップスターだから・・・)
どうみても田舎の豪農の世間知らずの息子にしかみえず。
ブルジョワ階級の革命家たちとの違いがあまり感じられなかったから、
メインストーリー(縦糸)に違和感があったのだと。
(ロベスピエールのほうが土臭かったくらいだ)
そして宮廷場面(横糸)はアントワネットが中心であり(愛希さんトップ娘役だから)
本来のヒロインであるオランプが脇に置かれたストーリー展開に違和感があった。
この2点はスターシステムである宝塚では対応不可能であるのかもしれないが、
(オランプを愛希さんにしていれば、少なくとも2つ目の違和感は無かったはず)
物語上の重要事項を破壊したような気がしていて、大変もやもやしたのであった。
それが今回、東宝版「1789」、すっきりした!!
物語のよさが分かった。本当によい作品だ。小池先生の演出がすっきりと映え、
フランスミュージカルの特徴、高レベルの歌とダンスが惜しげなく盛り込まれた名作。
そう「レミゼラブル」のように、何度でも毎年みたい感動の名作になる気がする。
(「レミゼラブル」が宝塚で上演できないんだから、「1789」だって無茶なんだわ)
(更にいえば「Never Say Good-bye」も東宝向きだと思うので、ぜひ上演してください)

と私は大感動したのでした。宝塚で本作品を見たとき、
「小池先生~これ東宝用にって思って宝塚用アレンジしてないでしょ~?」
と思ったくらい東宝向きだが、東宝では更に演出がすっきりと見やすく
分かりやすくなり、小池先生の本領発揮だと思った。
たぶんフランス版とは少し違うのだろうと思う(小池カラーを感じたから)。




ロナン(加藤和樹)W
地方の自作農の生まれだが、貧農で学の無い貧しい農民。
それが重税の弾圧から父が殺され、それをきっかけにパリに出て、
革命思想「哲学」に目覚めるまで。精神的にも行動的にも
一気に覚醒していく様子が描かれていた。彼の成長、
彼の視線が物語の重要な視点だ。
登場場面から、ちょっと考えなしであり、自分の要らぬ反抗の所為で父が殺され、
残された妹のことを考えもせずに、特に何のアテもなく都会に出かけるあたりは、
情熱と行動力はあるが、浅慮そのもの。そうやって都会で身を持ち崩す若者は
多かったのだろうなあ・・と思わせる。ところが、時代は革命前夜であり、
彼は運よく革命の主流となる若者たちと出会い、拾われ、職と寝床、
なにより「哲学」を与えられる。
ここからがロナンの素晴らしいところで、彼らの強烈な思想に染まり(もともと頭はよさそう)、
強烈な革命家一直線か?!と思ったところで、貴族の娘オランプを知り、
彼女とその父の人柄に触れ、オランプが敬愛する国王一家を知る。
そこで「人間は法の元に平等」という「人間」には、革命家たちがいう
貧しい平民だけではなく、国王一家も含まれることに気付いたのではないか
・・とそんな気がした。
オランプもまたロナンを知ることで、革命の思想をしり、
自分が身を置く宮廷世界の虚構を知り、ロナンとともに生きることを決意した
のではないかと思うのだ。
お互いに影響を与え合う恋人同士で、それが縦糸と横糸だったのだと感じた。

加藤さん、イケメンですね。小池先生が好きそう。
古川さんもだが、小池先生好みというか、宝塚に居そうなタイプというか(笑)
「男役」といわれて違和感無いわ。
物語的には、ロナンってもっと無骨でガタイのよい男(美は不要)でもいいのにね。
田舎の貧農なのに、なぜか都会的な美男なんだもん。
田舎でモテモテの優男だったんだと、そう理解した(別に不要な設定だけどさ)。
見ているほうは美男のほうが心地よいし、いろいろ翻弄される青年は
華奢で美しいほうが共感しやすいので、そこは構わんです。
あと今回は主演なのに、衣装が容赦なく汚いのがよかったです。
ロベスピエールたち革命家がぱりっとした服を着ているので、
背後の印刷工より汚い衣装のロナンはまさに立場を体現していて、
台詞に力があった。衣装も大事だ。


オランプ(夢咲ねね)W
中流以下の貴族の娘で、王太子ルイ・ジョセフの養育係。今で言う理学療法士かな。
国王一家のかなりプライベートでファミリーな部分を見る立場に居る女性。
貴族とはいえ大貴族のお姫様じゃないから、常識があり誠実でしっかりしたお嬢さん。
王子も慕っており、王妃も頼りにするのが理解できる、キャリア・ウーマンだ。
その彼女が心ならずも陥れてしまったロナンに、誠心誠意尽くす。ロナンも貴族に
こういう女性がいることを知り、葛藤する種に。しかも彼女は王家を敬愛し、王妃を慕う。
彼女が慕う王妃(あったことない)にも、人間性を感じるロナン、それはほぼ100%
オランプの所為ですね。
子供が病気なのにパーティして騒いで、愛人に会いに行く母親に協力するとか・・・
現代からすると「ちょっと・・・そこは諌めるべきじゃ?」と思われる部分もありますが、
そこは18世紀の常識を考えれば、アントワネットはそれでも魅力的な人物なのでしょう。
とりあえず、オランプが「貴族にもよい人間が居る」という象徴であり、
「貴族も平等であり守られるべき人間」ということをロナンに示す存在として描かれており、
とてもとてもすっきりとしました。オランプ可愛いです。

夢咲さんでした。可愛いですね。大きい印象があったのですが、
それほどでもない・・当然か(笑)お化粧があっさりめで、お芝居もとてもよかった。
夢咲さんは轟さんと組んだ?「オセロ」を下敷きにした作品『Lost Glory』での
ヒロインがとても上手くて心に残っていますが、作品世界に嵌るととてもよいお芝居を
する方なのだと思います。芝居と比例して歌も(なぜ?歌まで上手い下手が・・?)
ただこの役、可愛くてしっかりしている美少女ということで、
Wキャストの神田沙也加さんがとても嵌りそうなので、ぜひ見てみたいわ・・と思いました。


<革命>
ロベスピエール(古川雄大)
革命家の中心人物。ロナンと出会い、彼に職と思想を与える。
革命はこの人の手で進められ。進めすぎてエライ事になる(のは別の話)。
本作品の男役2番手はこの人だよね。ロベスピエールは印象的であり、
中心になる場面もたくさんあった。
思想的に彼が平民たちをリードしていることが見ていてよく分かった。
でもロベスピエールというより、サンジュストみたい。美しすぎる(笑)
(またまた比べて恐縮ですが、宝塚版のロベスピエールは珠城さんで、
かなり無骨というか、男臭いガタイのよいロベスピエールだったので・・
ロナンとの対比が上手くいかなかった)
確かに、ロナンと対比するなら、「所詮ブルジョワのお坊ちゃま」という
形容詞が当てはまる美しいロベスピエールでよいかと思う。
なんとなく、ロベスピエールというよりアンジョルラスを見ている気分でしたが・・。
古川さんも宝塚にいても違和感ないと思う美男だ(笑)一度混じってみてほしいくらい。


ダントン(上原理生)
革命家は3人組出ててくる。だがそれぞれ特徴はある。
ロベスピエールは美男の思想家、アンジョルラスのように面倒見がよく、慕われている。
ダントンはちょっとおじさんで世俗の香りがする。娼婦に入れ込んで本気の彼女に
しているほど、まっすぐで公平。世知に長けていて、清濁併せ呑むことができる器量を
持っている大人物と感じた。
ソレーヌを見る目が優しく、職業で差別したりしない公正な心の持ち主で、
愛情深い男なんだなあ・・・と。実は彼が影のまとめ役なのでは?と思ったのでした。


デムーラン(渡辺大介) 
革命家3人組の最後はデムーラン。
ロベスピエールは「女が近寄れない美青年」であるのに対して、
デムーランは「女が群がるいい男」という雰囲気。カッコいい。
思想先導のロベスピエールと、大衆を現実的にまとめていくダントンの
中間的な位置づけ。上手く配置されてるわ。
娼婦じゃなく、カフェの女給をしている可愛い恋人がいて。
歌も素晴らしかったです、デムーラン様。


ソレーヌ(ソニン) 
ロナンの妹。考え無しの兄を持って、かわいそうな転落人生を辿ることに。
パリで再開したとき、東宝版のロナンは、自分の浅慮な行動の所為で妹が
こんな状態になった・・と悟って、妹に謝っていたと思います。
(宝塚版は叱っていたような?・・ヒドイ!と思った記憶が)
ロナンは馬鹿で浅はかだったけど、それでも真摯で愛情深かったから、
ソレーヌは兄を愛しているんだなあ~。
ソレーヌはパリで自力で愛する男(しかもいい男!)を捕らえ、幸せをつかみました。
えらい。
ソレーヌは、ロナンよりもっと悲惨な人民の存在を明示しています。
そんな絶望しかないソレーヌたち最底辺の女に、ダントンをはじめとする革命家たちは、
人権の概念を教え、生きる希望を与えた・・革命の大事な大事な側面だった。
印象的な縦糸です。
ソニンさんは、宮廷場面の方々とは違い、品のなさ(褒めてる)や自暴自棄部分、
最底辺で虐げられた女たちの執念が体現されてて、その対比も素晴らしかった。
歌もいいですよね~!!


リュシル(則松亜海) 
こちらも、オランプとソレーヌの中間的存在。パリの一般市民の女性代表という感じで
表現されていたデムーランの恋人。宮廷の雲の上の女性とは違う、葛藤する貴族の娘
オランプとも違う、そして底辺を見たソレーヌとも違う。パリに生きる普通の平民女性。
それがリュシル。だからソレーヌが打ちこわしをするのには参加しない。
過激な思想はない。
たぶん革命がなければ、平凡な家庭の主婦に納まってそうな階層。一番多い層の代表。

久しぶりに夢華あみさんを見ました。やっぱり宝塚にいるより似合う。
もともと外部向きだと思っていましたが、可愛いし、歌えて芝居もできるので、
どんどん活躍してほしいですね。寄り添うタイプの娘役ではないものの、
今回はそんな感じ。
(実は、「レミゼ」で言えば、将来マダム・テナルディエができるのでは?と期待している)
そういえば・・カーテンコールで、挨拶するとき、花總さん、夢咲さん、夢華(則松)さん
だけが、ひざを折る宝塚娘役の挨拶だったわ(笑)


シャルロット(志村美帆)T
パレロワイヤルの子供。レミゼでいうガブローシュみたいなのかな?
とにかくピンチに出ていていろいろ教唆してくれるありがたい存在。
カーテンコールでは、ダントンと居た。関係有るのか?
小さいながら歌も見事で、よかったです。


<王宮>
マリーアントワネット(花總まり)W
フランス王妃。登場時は「これでもか!!!!」という装置のような豪華ドレス。
仮装パーティにギャンブル、愛人。享楽的な、「王妃」というより成金夫人の
ような贅沢生活。そんな中でも、病気の息子を案じ、愛している様子も垣間見せる。
敵国から来た政略結婚の王妃であることは誰もが知っていて、
そんななか誠実に彼女一人を愛する無骨なスウェーデン人軍人を愛す・・。
革命の波に飲まれ、やっと王妃の義務に目覚め、フランスを祖国と思う。
ドレスは質素で品の良いものに変わり、王妃らしくなる。時すでに遅し・・ですが。
そうなっても持ち前の愛情深い人間としての魅力は失われず、
革命家を愛するというお気に入りの侍女の背中を押してあげる優しさを見せる。
このときの凜とした後姿は、舞台奥の鏡に映し出され、マリーアントワネットの決意と強さ、
背後にある愛情と寂寥を見事に映し出している。素晴らしい演出でした!!!!
フェルゼンとも別れ、夫である国王と残された子供たちと精一杯王妃として
生きていく決意。
最後の最後、囚人服で髪を切られてもなお、凛と顔を上げて前を向く
王妃の威厳は損なわれず。素晴らしい王妃でした。

花總さんの魅力に溢れたアントワネットでした。享楽の中に孤独を見せる寂しい女、
愛人にわがままを言う可愛らしい女性、凛とした表情で国を背負う覚悟を見せる王妃、
侍女に愛を諭す愛情深い笑顔、最後の最後まで気品と優雅さを失わない誇り高さ。
どれをとっても素晴らしい!と絶賛でした>贔屓目はある。
私が宝塚で一番最初に好きになったジェンヌさんは「花總まり」さんなのだから。
彼女がいなければ、ここまで宝塚に嵌らなかったかもしれない)
当然、宝塚でも花總アントワネットを見ていますので、最後の囚人服に短髪姿を
見ると、後ろに大階段がでてくるような気分になりました。
(「ベルサイユのばら」は好きじゃないですが、フェルゼンとマリーアントワネット編の
あの王妃のラストシーン・・死刑台への階段を登っていく場面だけは、好きです)

永遠のヒロイン花總まり。あの貫禄と可愛らしさ。いまおいくつでしたっけ・・?
と思う。オランプと並んでも引けをとらない美貌(私、ああいうお顔が好みなので。)
声も出てるし。
何よりドレスの着こなし、立ち居振る舞い。(実際には見たこと無いですが)
「王妃様!」と納得できる気品と優雅さだと思うのですわ。
最近の宝塚には、こういう「姫役者」というか、豪華ドレスに負けず、
立っているだけで気品や威厳を感じ、思わずひれ伏してしまうような娘役が、
なかなか居ないですね。
(姿だけなら宙組の伶美さんですけど、まだまだ中身が伴ってないと思う。)


アルトワ伯(吉野圭吾) 
ルイ16世の弟。大変な野心家で、王位を狙う。
見てたら、革命を後押しした強力な勢力はアルトワ伯ではないか??と思った。
それほど、重要な場面場面で、革命へと舵を切るよう王宮のほうを操作して
くれていた。ロベスピエールがもっと腹黒かったら、アルトワ伯は
直接彼と手を組んだかもしれない?というくらい、腹黒い人物(笑)

吉野さんらしいメイクと衣装(まあ衣装は宝塚でもこんな感じだった)で、
その腹黒さが見事でした。「アンタが一番の悪役―革命家では?」と
思いましたもん。


ペイロール伯(岡幸二郎) 
忠実な王の臣下。警察隊や軍隊を率いて革命勢力の弾圧に命を掛ける男。
彼は革命を回避したいと思っている。ただ、革命家の望みを聞くのではなく、
つぶす方向で。ある意味、アルトワ伯よりずっと王家の権威を信じているタイプ。
貴族にしては地味で実用的な衣装、きびきびした軍人らしい動作と厳しい表情。
民衆を弾圧する貴族、冷酷な側面の貴族を示していた人物。

ものすごく出番が多かった印象。幕開きはペイロール伯からですもんね。
ええ声で歌いながらスタート。声に優しさがなくなり、最初誰か分からなかった。
ロナンの直接の敵役であり、平民に直に接する貴族だから、直接対決場面が多い。
この作品、戦いも歌(とダンス)で表現するから、その冷たい声音の歌がすごい
迫力だったと思う。岡さんの甘い声が好きだったけど(ジャベールのときは甘い
ジャベール♪と思っていたくらい)今回は甘さが無かったと思う。
こういう冷たい厳しい声で歌えるなら、(素晴らしくいい声だし)新たな魅力発見。
どんどん活躍が見たい方。
カーテンコールで見たら、岡さんていつも頭が飛び出していた印象ですが、今回は
そーでもなく・・身長が高い人が増えたんですね~。


フェルゼン(広瀬友祐) 
有名なフランス王妃の愛人、生真面目なスウェーデン貴族の軍人。
ある意味ペイロールと似ているのかも。
「ベルサイユのばら」に出てくるフェルゼンは、大変な色男でモテモテ。
優男だけど、真実の愛のために頑張って(暴走して)いる男に見える。
だが、「1789」のフェルゼンは、無骨で実直な外国人、つまりフランス男じゃない。
ガタイも良いし、プレイボーイの部分は皆無。
そこに王妃が惚れたのだなあと感じる。
(宝塚版のフェルゼンは暁千星さんで、あまりに可愛くて、
王妃がたらしこんだツバメに見えたのが痛かったかも・・
成金ゴージャスマダムに本気になった初心なホストみたいだった・・)
この後の暴走も予感でき、カッコいい色男ではないが、
なかなか良いフェルゼン像であった。


ルイ16世(増澤ノゾム) 
気弱な王様、イメージぴったり。彼が弟に押しきられたから、革命が・・・て感じ。
ギロチンの話は、上手くはさんであって象徴的。

ルイ・ジョセフ(大河原爽介)w
病弱な王太子、オランプが愛して世話をする。ほんの少しの出番でしたが、
可愛かったわ。
カーテンコールでは、父のルイ16世と一緒に居るのがほほえましかった。

ネッケル財務大臣(立川三貴) 
誠実な大臣。地味な衣装と疲れた話しぶりが、「ああご苦労だったのね・・」と
思わせる。ネッケルのいう通りにしておけば、革命は阻止できたのにねえ。
数字のわからんやつに口を挟ませてはいかん。
王も王弟も数字を勉強して彼の話を聞くべきだった。
(いまでも数字の読めない経営者はいかんと思う。
数字を作る必要は無いが、読めないとね)

ポリニャック伯夫人(飯野めぐみ)
王妃の侍女。一般的な貴族を体現する女性。アントワネットとオランプの中間か?
王妃にはきちんとお仕えしており、決して薄情でもなく、不誠実でもないのだが・・
王妃を見捨て手逃げる。普通のフランス貴族ってこんなもんよ!って存在。


<3人組>
ラマール長官(坂本健児)&トゥルヌマン(岡田亮輔)ロワゼル(加藤潤一)
アルトワ伯が使っている秘密警察の長官とその部下たち。場面転換や雰囲気転換(息抜き)、
状況説明、進行役と大活躍。すごく出番と歌が多い。
実は、宝塚版を見たとき、「この3人組はもっと出番あるんじゃないの?」と推測していた。
すごく出番と役割(歌)が少なかったから。どうみても進行役なのに。
やっぱり宝塚の事情だったんだ!
今回、彼らがコミカルに大活躍してくれたお蔭で、大変分かりやすかった。


以上。すごく長い・・長すぎる。大変気に入ったし、おそらくこれから数年毎に再演が
あるような気もする演目なので、期待大。今回は1回しか見れなかったけど、今後ずっと
「今年の1789は~」といえるような息の長い演目になると思うので、何回も見るぞ!と
心に決めました。
勧めてくれたKさん、ありがとうございました。心から感謝です。
宝塚版を見てたので、あまり食指が動かなかったんですが、全然違った。
やっぱり「劇団カラーに合う/合わない」はある。
(私は「ロミオとジュリエット」「エリザベート」は宝塚版のほうが好き)
これは東宝でやるべき演目だったのね。だからぴったり嵌って素晴らしく感動できました。


最後に宝塚月組版の感想→こちら。コレを読み返さずに書きました。でも同じような感想(笑)




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チェス

私も、宝塚版より楽しめました!男性が男性を演じる方か無理がないし、スターシステムも関係ないてすもんね。それにイケメン揃いで下手っぴもいないのでストレスも感じないし。ルイ16世をされた方、見覚えあるなとおもったら、あらんけいさん主演の光子で息子さんの役を好演された方でした。
これだけチケット完売していた、再演ありそうですね。ソニンさんが体力的にきついとブログにか書いていましたが、また出てほしいです。
by チェス (2016-05-22 23:39) 

えりあ

チェス様

宝塚版の最大の違和感・・主役とはいえ、ロナンの衣装が綺麗だったら話の根本がぶち壊しじゃないですか~(笑)貧しい農民が主役なのは、宝塚には向かないんですよ!と改めて思いました。スターシステムだから、トップから順番に衣装が良くないとね。

ルイ16世様、そうでしたか!キャストも良いですね。ソニンさんもですが、嵌ってます。ソニンとロベスピエール級もWがいいかも?

これはきっとこれからまだまだ再演があると思ってますので、次回からはちゃんと最初から参戦しようと思います!

by えりあ (2016-05-23 01:01) 

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