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新歌舞伎座「だいこん役者」 [観劇感想(その他)]

ちょっとアップ順が前後してしまいました。

新歌舞伎座「だいこん役者」
2016年7月18日(月祝) 3階後方センター


近所の劇場でやってた「だいこん役者」、ジャニーズファンの娘が行きたいと
久しぶりに言ってきたので、行ってみた。当然3階席だ。

藤山直美はさすがの安定感、この人の芝居はいいわあ。面白くてほろりと来る。
相手役の大杉漣。この人は初めて見たけど、うまかった。
トップコンビの芝居が上手い!さらに脇もきっちり固めている。
脚本が練ってあったので、かなり楽しめた。

舞台転換が遅いとか、セットが書き割りで今一つだとか、装置が使えてないとか、
そういうのは「新歌舞伎座やもんな」ということで済ますしかない。
それ以外は、長かったけど、楽しかった。

201607だいこん役者.jpg



「だいこん役者」
作 藤本有紀 演出 竹園元

昭和初期かな(昭和10年とか言ってたような)、しがない旅役者の一座に起こる
悲喜こもごもの日常的な出来事。この時代に忍び寄る暗い時代への足音なんていうのは
全くない。「あの頃はよかったなあ」とノスタルジーだけを感じるような、そんな
古き良き時代を懐かしむような暖かいお話し。
どんな時代でも、男女の関係とか、親子関係とか、親へのコンプレックスとか
一座のやりくりとか、そういうのは変わらないですね。だから普遍的なテーマを
扱っているドラマ。悪い人は一人も出てこなくて(地上げやくざですら!)見終わって
すっきりした楽しい気分で家路につく・・そんな感じで、新歌舞伎座にぴったりの
演目だと思いました。
ま、いくら年齢層が高い新歌舞伎座でも、さすがに昭和10年を懐かしく思い出せる方は
さほど多くないと思うので、「ノスタルジー」を感じる時代劇という雰囲気でした。

例によってプログラムを買ってないので、役名すらよくわかりません。
役者さんもよくわかりません。カンで書くので違ってたらごめんなさい。


鯉次郎(大杉漣)
一座の座長で二代目。初代は父で「国定忠治」で大当たりしたらしい。
その後劇団は鳴かず飛ばずで、貧乏なドサまわり。でも先々の劇場でそれなりに
暖かく迎えてもらっているので、それなりの興業をしていると思われる。
「金色夜叉」が彼の得意演目らしいけど、それほど・・まああの名場面しか演じて
ないけど(笑)。だが彼を評価している人は多いらしく、「2代目国定忠治を!」と
言ってくれる大阪の劇場があるらしく。だが父の当たり役、それを演じたくないと
ごねる。子供のようにごねまくる。結局、周囲の熱意(と困窮した実情)により
彼が国定忠治を演じるところで幕。父を乗り越えた瞬間ですね。
一座は家族と言い切っていたけど、彼が一番子供みたいでした。
でもその鯉次郎を慕う若い役者(とみおくん)もいて、実娘も劇団に入って
これからも一座は続いていくんだろうな・・という希望を見出した終わり方でした。

コンプレックスから子供っぽい駄々をこねる反面、好きになった女や娘には
ストレートに好意を伝えるところは好ましく、子供っぽさの両面を描いていた。
愛すべき「困った男」を等身大に描き出し、見ごたえがありました。


たつこ(藤山直美)
「面白いと思ったことなんか、今まで一度もない」と言い切っていた女。
生活することに疲れ、人生悟りきっていたところ、「感情過多の困った男」に出会い、
その熱意にほだされ、彼を愛し、面倒を見ることに。それから8年。
資金繰りなどの実務ができない鯉次郎に代わり、一座を支える看板女優に。
人生の大転換ですね。一座が10年ぶりに白浜へ・・・そこで鯉次郎が怪しい動き。
大事なことを相談して貰えなかったことで、転換した人生がまた色あせるたつこ。
一座の財政危機もあいまって、一座にもたつこ鯉次郎にも危機!
ここで「家族」たる一座のみんなと、(良い子すぎるが)お父ちゃん大好き娘が
たつこを応援し、鯉次郎を動かす。で、夫婦、親子、家族(一座)の絆が深まり
大成功へと。たつこの「面白い」人生になるのであった。
書いてみると、たつこの人生って波瀾万丈ですね。
藤山直美さんがめちゃくちゃお芝居が上手いから、ほんと3階のてっぺんからでも
たつこの感情がしっかり伝わってきました。


とみお(浜中文一)
一座の一番若い役者。孤児で、鯉次郎の芝居を見て憧れて加えてもらったらしい。
顔も性格もイイ男で、芝居の才能もありそうで、たつこが特訓していたりする。
彼が一座の「息子」の位置づけ、鯉次郎には娘しかいなくて、自身も精神的には
まだ子供なので、「息子」の立場のとみおからの説得(というより誠意の嘆願?)は
結構堪えたのではないだろうか?なんて思いました。
同年代のゆきえちゃんが一座に加わり、なにかあるかな?と思ってみてましたが、
何もなく。二人とも純粋に鯉次郎を心配するだけ。うーん、ピュア。
なんで、勝手に、三代目はとみおくんとゆきえちゃんだ!と思っときました(笑)
代表作は『白雪姫』だ(笑)

客席にいた若いお嬢さんたちは、彼が目当てだったんですね。
そういや劇場前の幟に「関西ジャニーズJr」とカッコ書きしてありましたわ。
浜中さんは特に浮いたところもなく、この凄い演技力の人々が織りなす人情芝居に
ちゃんと嵌って世界観を構成していたので、お芝居の上手い方なんだなあと思いました。


ゆきえ(前田亜季)
娘の名前はたしか「ゆきえ」だったような。もう名前忘れてしまった・・
すぐに書かないとだめですね(反省)
もう良い子すぎて(ちょっとひねてますね、私が)。こんな良い子が居るわけない!
なんて思うほど。彼女が「お父ちゃんは私をほったらかしで酷い!そんな女(たつこ)、
死んだお母ちゃんが可愛そう!!!」という『私が一番可哀想タイプ』だと(よく居るよね)、
このハッピーエンドは無い。ゆきえちゃんは、他人(お父さんやたつこさん)の人生を
思いやり、自分に与えられたモノを受け取って満足し、自分ができることと精一杯やって
自分の幸せを大事にできるタイプ。自分にないこと(不満)ばかり数えるタイプではない。
だから一座のみんなに愛され受け入れられ、幸せになれた。
だから、やっぱり「座長ラブ(笑)」のとみお君とはうまくいくと思うのでした。


結構面白かった。
ここに書けなかったけど(役名とか忘れたから)、先代からお世話になっているという
「キャバレーで働いていた女」と「やくざもんの男」の律儀なカップルは、大変な
重役。鯉次郎と一座の芯柱ですよ。先代は懐の大きなイイ男だったんですねえ・・。
そして持ち逃げするカップル。こちらもちょっと心弱いが、悪人ではなさそう・・
一座のみんなが許しているから。ほとぼりが冷めたころ一座に戻って、叱られて
壱からやり直すといって受け入れられるかも?というラストシーンでした。
劇場(小屋)の女将さん。この人もいい人だ。彼女がいなければ、一座は終わってた。
そしてやくざ3人組。彼らすら義理を通す。金ではなく義理を通す任侠だ。
良い時代だったなあって思う。時代劇だよね。後味が良い。すっきりと帰れる。


そういえば、劇中やくざの地上げ屋さんたちが「白浜に一大歓楽地を作って、
こけら落としにはOSKを呼ぶんじゃ~♪」と盛大に計画を語っていた。
OSK!こんなところでOSKの名前を聞こうとは!!!
OSK日本歌劇団。あの頃は、宝塚と2大少女歌劇団だったのなあ。
あの時代くらいに(知らんけど)、再び盛り上がってほしいものです。
実力は今も遜色ないから。
で、昔そういう関係があったなら、白浜公演もいいかも(温泉あるし美味しいし)
と思ってしまったのでした(笑)


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