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OSK「高山右近伝~乱世なればこそ、永遠の勝利を~」 [観劇感想(OSK)]

OSK「高山右近伝~乱世なればこそ、永遠の勝利を~」
2017年1月7日(土) 高槻現代劇場中ホール 15時 上手後方


今年の初観劇は宝塚の月組「グランドホテル」でしたが、
初OSKは「高山右近」。初めてみる「高山右近」。
こういう人だったのか~と勉強になりました。

そう、勉強になったなあ~というのが一番の感想。
小学生向けの偉人伝を読んでるみたい(変な例え)。
時間も短く、ベストキャストという嵌り具合でもなく(すみません)
高槻市の歴史と「高山右近」という方の事績を知りました~、って気分です。
たぶん、主催の高槻市文化振興事業団からしたら大成功なのだと思います。
主催者の意向が強く入った公演なのかな~って思いました。

201701高山右近.jpg

えっと私、井上泰治先生とちょっと趣味が合わないみたいなので
「すごい!よかった!!」と絶賛の方は、ご注意くださいませ。



福者認定記念
「高山右近伝~~乱世なればこそ、永遠の勝利を~」
脚本演出 井上泰治


高槻在住の友人が見てみたい!というので一緒に行ってきました。
高槻駅を降りて劇場へ向かう間の道々に、高山右近さまの
ゆかりのいろいろが・・まあ劇場が高槻城址だからというのが大きいかも
しれませんが。高槻で「高山右近」はかなり思う入れのある人物だと
理解しながら劇場へ向かいました。綺麗な劇場でびっくり。
高槻にこんな立派なホールがあったんですね~縁が無いからなあ高槻。

内容ですね。劇場の制約か予算の制約か、背景セットはほぼなく、照明のみ。
ちょっと寂しい。照明さん頑張ってた。
高山右近さまの輝かしい生涯を描くことが主眼だからか、淡々としている・・・。
休憩なしの90分(80分?)は短くて、ラストがナレーションで終わってしまい
なんだかすっきりしない。これなら2幕にして最後まで描いてほしい気分。

すっきりしなかった理由は二つ考えられる。(当然、超主観)
脚本。その終わり方や脚本(台詞)から想定するに、高山右近が当時の普通の
キリシタンから、戦国武将としてのキリシタンの生き方、真のキリシタンの心
「揺るぎない信仰」を確立するまでの葛藤を描いた心理ドラマに重点をおいた
作品かな?と思ったんですが、その要点のところの芝居が感じ取れなかった
ので(私には)、あっさり平坦に感じてしまったのかな、と。
思うに、葛藤や苦悩の場面、一番大事な右近の心理の変遷状態を表す場面が、
全部ソロ歌になっていたこと、これが大きいかな~と思います。
一番大事な場面を、歌で(しかもソロ)で芝居することを求めてる。
これは相当歌の上手い、歌に心情を乗せ声に表情を付けられる人でないと
歌だけで物語の最重要点を表現するのは大層難しいような・・気がしました。
ま、全部私の主観ですけど(違う!と感じる方もいるのは当然)

もう一つは、解釈。実際に見た感想とプログラムのあらすじを読むと、
高山右近は死の淵で神の声を聴いた後、まるで新約聖書に出てくる預言者の
ように、揺るぎない信仰を持ち、神の声に従って生きていくような・・
香月さんのお芝居はまさにこちら。心理的な葛藤や信仰への疑問ははなく、
ただ神の声に従うにはどの行動が一番合うか?を考えているだけ。
だから深層での葛藤も苦悩も迷いもない主人公と、それを肯定し称えるだけ
という周囲の人々の物語は、盛り上がりようがない・・。

一回しか見てないし、どちらが合ってるのか全く分からなくなったけど、
どちらにしても、ちぐはぐな印象を受けてしまった私。
どちらにしても平坦には違いない(私の印象)。

とりあえず、13人も出ていて、80分ほどあってこの薄い印象は、
やっぱり派手な戦闘場面(立ち回り)とか、真剣勝負のようなセリフの
掛け合い応酬とかが少なく、緩急があまりないからかな・・
なんて思ってしまいました。


では順番に。

高山右近(香月蓮)
キリシタン大名。当初は父とともに和田惟長に仕えているが、和田を討ち、
荒木を討ち、織田に仕える(あら書くと結構主君を変えてるのね)
ここから私の解釈
それぞれ「そうしなければならなかった重大な理由」があり、結果的には
彼の信義を通した結果、主君を変えることになるのだが・・・その度に
彼は苦悩する。争いを嫌い平和を望むキリシタンとして、裏切りを許さない
義を貫く武人として、悩み苦しみ葛藤する。
そして器を大きく育て、立派な「人間」つまり迷いを乗り越えた人、
として完成されていくのである。
この物語は、彼が(彼の心が)完成されるまでを描いているので、
その後のこと・・つまり、完成された心に従って迷いなく行動する
(それが表面上反逆に見えようと)ことは、もう主題ではないので
ナレーションで終わってしまった。
こんな感じかな?
で、実際の印象
香月さんは、いつも大変熱く濃く前に出る芝居をする方だ。迷いが無い。
それがセンター真ん中だとさらに倍に感じる。いつもより熱く濃く前だ。
つまり、右近に迷いや葛藤はない。彼が信じているものは、はっきりと
最初から見えている様に感じた。右近は迷ってない。信仰に、自分の考えに
疑問を持ってない。最初から最後まで揺るがない。この場合どう行動するのが
心に合うか?は考えているけど、その「心」について迷いが無い。
(だから歌詞の内容と合わないような気もした)
もちろん自分が揺るがないだけで、周囲にはどう配慮するかは悩んでいる。
でも「どういえばよいか?」は考えても「本当にこれが正しいのか?」
という揺らぎは感じなかった。
一般人のキリシタンが、神に疑問を持たず素直に信じているのは、まあ普通。
でもこの時代の日本の為政者なら、ちょっとは違うような気もしないでもない
のだが、高山家の人々はそうではなさそうだった。
一番熱く忠実なのが右近、聖書に言う預言者のような、絶対的なスーパーマンの
ような、誰からも称賛され尊敬される偉人・右近だったと思います。
高槻市の方針は香月さんの解釈通りなのかもしれない、
と帰りの電車でパンフレットを読んで思いました。
(クリアファイル入りの三つ折りパンフを無料配布!サービスいいね♪)

私は、上に書いた解釈の方が好みってだけ。井上先生とは好みが違うようだ。

香月さん、オセイリュウの初主演の時から比べると、歌はとてもよくなってると
思いましたが、でもこんなに大量のソロ・・どれも似た感じに聞こえてしまい。
すごく音程に気を付けてらっしゃるのは分かりました。「歌に表情」までは
なかなか難しいと思うけど、頑張って!と思いました。
あと、こんなこと書くとさらにファンの方に怒られるかもしれないけど・・私は
香月さんは悪役というか、敵側にいる方が映えるなあと。敵方の2番手くらいの
物語のキーマンになる人物。その人の動きで話が進むような感じの役。
ラスボスではなく、その部下。なんか企んでいて裏切りそうな表情が上手いから。
「紅に燃ゆる」でも真田信之より大野治長をされている方が「上手い!」って
感じたので(あの話のラスボスは淀君だ)。
少し脇で少し引いた(抑えた)演技をされている方が、光るタイプではないかと
思いました。
もともとどちらの解釈でも「高山右近」は真っ白なイメージの役。
桜花さんくらいの、真っ白い印象の方が演じるとまた違うのかもしれんな~
もし、この脚本が桜花さんに充てて書かれたものなら、そうなんだろうな~
現役でここまで純白イメージの人はいないし~難しいよね~とかまで
考えが飛んでしまいました。(桜花さん右近は見てないから単なる推測)



ジュスタ(和紗くるみ)
右近の妻。若いころから一緒に育ってる。右近を理解し支える大変な良妻で、
良妻すぎて物足りないくらい(ごめん、私がひねくれてるから)。
そうなんだ、このお話し、右近側に悪人(ずるいとか弱いとかも含めて)が
一人もいない。みんな偉人伝の登場人物のように良い人なの~
この奥様もそうでした。いいんだけどさ。
歌があったのは、右近とジュスタだけ。和紗さん良い声でしたね~


高山友照(緋波亜紀)
右近の父。右近を理解し、自分の老いを分かって息子に譲れる人。
これまたとても物わかりの良い好人物。でも上手い。緩急自在って感じ。
おじさまの貫禄でした。出てくると存在感が凄い。

マリア(朝香櫻子)
右近の母で、ナレーター。右近の母にしては位が高すぎるような雰囲気が漂う。
大変高貴なお家から嫁いでこられたの?という風格と落ち着き。
あまり重要な役割は果たしてませんが、存在感はありました。
ナレーションは絶品。あのはんなりした口調ながら、しっかり内容を
伝える話し方は、ナレーターとしては最適では。朝香さんのおかげで話が
よくわかりました。

ひな(麗羅リコ)
右近の妹。この家の女性はみんな洗礼名で呼んでいるのに、なぜ妹だけ和名なの?
と疑問に思ったことは置いといて。右近の妹というのは良いけど、もうちょっと
若さ健気さが欲しいかな・・と思った。役割的にはとても落ち着いていて、
冷静でしっかりした妹さんという設定だから良いんだろうけど。
すごく大人に見えた。彼女も、迷いが無いのですよね。本当に、迷いが無い。
さすが高山家の女、右近の妹というべきか。


三郎左(登堂結斗)
高山家の家臣。本作中、この人が一番苦悩して悩んでたような気がする。
自分のミスで主君を殺しかけたらそりゃあ苦悩するだろうけど。
彼もキリシタンだけど、そこは苦悩するんだ?彼ひとりだけ、悩んでた。
彼の眼は最初からずっと右近に向いていたから、途中でひなと・?と
言われてびっくりだった。伏線あったのかな‥見落としてたらごめんですが、
実は登堂さんは好みの美形なので、オペラグラスで見てたんだよね(笑)
だから、そういう動きがあったら分かったんでは~と思うんだけど・・・。
三郎左とひなの場面、甘い雰囲気が無くて、あっさり目で残念。
(ひなの方がかなり年上に見えたのも原因のひとつか。ひなから三郎佐への
想いも、三郎佐からひなへの想いも、あまり感じられず・・・)

登堂さん、お芝居はやはり好みのタイプだ。芝居と歌、容姿はとても良い。
きらりと目立つ。それだけにダンスが惜しいの。今後に期待。
私の解釈する「高山右近」なら、この苦悩する右近なら登堂さんで見てみたい。
めっちゃくっちゃ苦悩してのたうってくれそう~だもん♪


源八郎(天輝レオ)
三郎佐の同僚だけど、可愛い女子との会話くらいしか出番がない。
どちらかというと、荒木の家臣としてのほうが働いていた。
ただ人数少なく、天輝さんもはっきりした濃い顔立ちなので
二役まるわかり。あなたも裏切り?って思えてしまうのが難でした。
この二人も、登堂さんが白、天輝さんが黒とイメージはっきり
してるように感じるので、対でいると見て楽しい。


いち(穂香めぐみ)&ちぬ(結菜ほのり)
高山家の腰元。可愛い二人組。ちゃきちゃきの「いち」とおっとりの「ちぬ」
冒頭のやりとりしか出番らしい出番がなかったけど、可愛いのでもったいない。
穂香さんが「ひな」なら、可愛くて一途で純粋で、でも恋と使命に悩んで
くれたかな~などと妄想が膨らむ。
結菜さんは「ジュスタ」タイプが合いそう。おっとり、でも悠然と構える妻。
ああ出番が無くてもったいない。


高山家以外の方々

織田信長(華月奏)
さてラスボスのような信長。あの華月さんが激しい信長を演じている!
これは凄かった。やっぱり演技力ありますね。信長の移り気で短気なところが
とてもよく見えました。口調が気分でころころ変わるような。いえ、気分が
口調からわかるような。さすがです。
華月さんに歌がないなんて・・・フィナーレはセンターでしたが一曲くらい。


荒木村重(栞さな)
信長の家臣なのに、裏切る。信長の家臣時代に右近の上司になってて・・
結局右近と戦う羽目になる、右近にとっての敵のような存在。
荒木村重が、信長を裏切るあたりがよくわからなかった。なぜ?
(史実だけど時間の都合で割愛!かもしれないけど)
そのあたりまるで別人か二重人格のように感じた。信長と和気藹々の時に
伏線あったかしら?なかったような・・栞さんも結構見てたから。
(栞さんだけ、かつらと地毛の境が見えて、気になったから)
狡猾さとか、裏切りにかかる良心の呵責とか、それも全くない非情の人か
よくわからなかった。なんだかその時々にまっすぐなの。裏が見えない。
実は、こういう役こそ香月さんで見てみたいんですわ~
後で裏切る二重性、なんか企んでるでしょ?でも忠臣のふりしてるでしょ?
っていう企んでる系の役がすっごい上手いから。あ、真麻さんも得意そう。
頑張れ栞さん。そこらの娘役より可愛いから大変だとは思うけど。


おせん(かなめ樹里)
密偵。きびきびした口調が訳ありらしく、とても好感。ひとり動きも違うし!
フリーの密偵なのか~フリーの忍者って流行ってるんだな(笑)
初めて役を見たような気がしますが、なかなかですね。
とっても目立っててかっこよかったです。
ただフィナーレの洋物ダンスの時は、ちょっと・・もう少し体を絞られた方が
美しく見えると思いました。


和田惟長(すばる未来)
前高槻城主。17歳で家督を継いで、自信がなくて、でもプライドが高くて
疑心暗鬼に陥って周囲を殺しまくり。評判の高い高山親子もその対象に。
ってところから話が始まる。なんとも姑息に呼び出して、暗殺を謀る。
しかし、あんなに神経質で弱そうなのに、丸腰とはいえ二人相手にって・・と
私は思ったくらいだ(笑) 結局、三郎左に出し抜かれた(?)けど。
すばるさんは、あまりお芝居の得意な方じゃない印象だったんですが、
今回は役がぴったりはまりましたね!


フィナーレ
洋物のフィナーレがついていた。突然、白ドレスに白スーツ。
何なの???と「高山右近」との、あまりの世界観の違いにぶっ飛んだ。
その後、短いショーで 二本立て風にするのかと思ったら、右近夫妻と
お父様お母様は役の着物のままフィナーレに突入。なんか、カオス。
これなら、フィナーレのショーも和物レビューの方が違和感ないのでは。
あまりの突然感に、ちょっとびっくりした。サービスなんでしょうね。

最後は「桜咲く国」を、カオス状態のまま歌って終わり。
高槻市長が壇上で、香月さんに花束贈呈していた。結構な男前だった。

客席には、高世さんが市長の近くに、そしてほぼ最後列に桜花さんが。
私も後ろの方にいたから、びっくり。相変わらずキラキラしていた。
観劇慣れしていない方もいらしたようで、なんとなく武生な雰囲気も(笑)
武生より静かだったので許容範囲。


というわけで、高槻の歴史を学んできました。
地域の偉人伝ですね。高槻生まれなら小学校とかで習うのかな?
私は高槻とはご縁が無かったので、大変勉強になりました。




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ミカ

中ホールとはいえ、大きく立派な劇場でしたね。私は右近さんが首を切られてうなされてるところがすごい迫力で…怖かったです。あとイライラした人や怒ってるキャラが多かったせいかアニメキャラのような結菜ほのりちゃんがかわいくて。それに切れそうになる天輝さんも(笑)入口にはたくさんのお花が並んでてとても華やかでしたね。宝塚も昔はあんな感じだったんですか?私はお花禁止になってからしか知らないので…
by ミカ (2017-01-08 22:12) 

えりあ

ご観劇だったんですね!右近さんが死にかけてる場面で「神の声を聴く」ところ、最大のクライマックスだと思うので、もっと盛り上げてほしかったなあ~って思います。うなされてる場面の方が印象強いって・・って感じ(^^;ほのりちゃんは、天然キャラで可愛かったですね。宝塚ではロビーではお花を見たことないですね。お花は楽屋に入ってたから・・ディナーショーなどはあんな感じのさらに倍!で花屋さんみたいでした(今は行かないので知らないけど)
by えりあ (2017-01-09 11:44) 

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