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宝塚星組「オーム・シャンティ・オーム」梅芸 [観劇感想(宝塚)]

宝塚星組「オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻」梅芸
2017年7月23日(日)16時30分 梅田芸術劇場1階18列通路横


観劇週間の最後は星組梅田のインドモノ。
友人に誘われて行ってきました。

原作のインド映画を見ていないのですが、あらすじを読む限り、結構忠実に再現しているのでしょうか?このトンデモ展開。あまりのぶっ飛びぶりに、「原作がこんな筋なんだ、そうに違いない」と思ったのでした。小柳先生は脚色アレンジが上手いと思って期待してたんですが、マサラムービーの偉大さの前に、何をどうアレンジしたのかわかりませんでした。

1部はなかなか話が進まずちょっと冗長でしたが、2部はテンポよく進み、あっという間。
2部の怒涛の展開に、「え?ええ?そうなの?それでいいの?」と心の中で突っ込みました。
でも最後は、客席までみんなで踊って(これは小柳作品らしい)「ま、いいや~楽しかったし♪」と帰ることができたので、結果オーライです。

出演者でいうと、あまり好みの方が居なくて(すみません。星組はあんまり見てないので、ほんっと上級生しかわからない)、七海さんがかっこよくなって~とか綺咲さんは可愛いね~とか見た後は、後ろで踊ってる若い男役さんを物色していました。背が高くてイケメン君が居たので、探してみたり。後ろの方にいたから若いそうね~♪とか楽しんでました。


201707星オーム.jpg


原作付きの再演ですが、ものすごくネタバレしてます。

マサラ・ミュージカル
『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』
(C)Red Chillies Entertainments Pvt Ltd./Asian Films Co.,Ltd.
脚本・演出/小柳 奈穂子


インド映画は見たことが無くて、もとの雰囲気がどんなのかわからなかったのですが、かなりはっちゃけたストーリー展開なんだろうな~と思いました。そしてインド映画はインド人が見て楽しめる内容になってるんだろうなって。インドの方にならわかる(推定)ことがかなり多くて、これは今まで見てきたアメリカ映画や邦画とはかなり勝手が違うと感じました。


分からなかったのが下記の点。
★オーム(貧)のときに「売れるためにはこんな名前じゃだめ」と苗字について拘っていた。これは最後までよくわからず。インドの言葉では、彼らの苗字に意味があるのでしょうね?「祈りの言葉が~」など言ってたので。その意味が分からなくて、「なんで?」「もしかして、インドはカースト制だから、カースト上位の苗字しかスターになれない=人気でないの?」なんて思ってしまいました。予習してなくて(復習してもわからない)彼らの苗字の意味が分からなかった。
★シャンティがずっと言ってた「ひとつぶのビンディ」(だっけ?)これはインドの既婚女性が額につける印のことで、彼女はこれを付けて正式に「既婚女性」だと表明したかった、と言ってるわけですね。私は既婚女性だけがつけるものだと知らなかったので、最初「何のことだろ?」と悩んでしまいました。
★オーム(貧)の時の彼の夢が成金的というか、「豪邸に召使が居て云々」というかなり物欲に満ちた夢だったのですが、オーム(富)はその生活を実現していて、それで「夢がかなった!」というようなストーリー展開でした。私はアメリカナイズされた日本人なので「転生してそういう環境に生まれたことで、夢がかなった!というのは・・・モヤモヤするわ~」と思ってしまいました。アメリカ映画的アメリカンドリームの価値観(や少年ジャンプ的世界)では、夢は自力で努力して今の人生で叶えるものだと思ってたからびっくり。まあ日本でも、「今の人生で良いことをしていれば、次に生まれ変わるときには良い人生に」なんて言いますけど。インドでは、(これもカースト制だったから)、「裕福な生活を手に入れるには、転生してよい階級に生まれる事」っていうのが普通なのかな~って思ったのでした。


あと私の中で突っ込んだところ。

★ほぼ瞬間的に輪廻転生しておいて、復讐まで30年もかかって。効率が良いのか悪いのかわからない。あと、覚醒後それまでの記憶はどうしたんだろ?
★なんで母は「あれは息子だ!」ってわかったの?30年前に行方不明になった息子なのに、現在30歳の男性を見て息子って・・・?やっぱり転生前提なの?魂が見える人?
★サンディは誰?全然関係ない人?
★なんでムケーシュ氏はシャンティの死体隠したの?あの状況なら殺人の痕跡は残ってないから、そのままにしておいた方がよかったのでは。
★シャンティは恨んでたのね。それは分かる。でも30年も幽霊にもならず、彼にも祟らず?成仏してないから、転生もしてないよね。何してたの?
★オーム(貧)はなぜ行方不明?事故隠しのための死体遺棄?そっちは復讐なし?贅沢に育てたことが復讐?

見ている間から、疑問がいっぱいになってしまった。インド映画慣れしてから見るべきだった。



オーム・プラカーシュ・マキージャー【貧】/オーム・カプール【富】(紅 ゆずる )
職業はどちらも俳優。前者は大部屋エキストラ俳優、後者はお坊ちゃまスター俳優。ねえ、なんで同じ名前にするの?わかりづらくって。
オーム(貧)は一途に惚れた人気女優と仲良くなれそうなときに、彼女が夫い殺されそうになり、それを助けられず、しかも彼女が殺されている最中に自分も別件で事故死してしまうとか。どんな数奇な運命?それで死ぬ間際の心残りが「彼女を助けたい!」で即刻転生。早すぎる・・。日本なら一度閻魔様の前にいって、生前の業績を裁かれて、それから天国または地獄へ行って修行してから転生、じゃなかったっけ?インドは早いのね。人口が多いからか?
ともかくあっという間に転生して、でも30年間そのまま沈黙。急いでたんじゃないの?!と突っ込みたかった(笑)転生先がオーム(貧)の憧れの階級というところに、彼の願いと復讐?とか思うことも(それは父のところでの書く)
私が一番疑問なのは、前世の記憶を覚醒した瞬間、今生の記憶が無視されてるところ。まるで人格が入れ替わったみたい。オーム(富)はいなくなってしまったの・・・?
ともかく、ラストは、地位(高貴な生まれ)財産、スター俳優という仕事、愛した女性(にそっくりな女性)という、前世で望んだすべてが手に入った状態で、彼にとっては超がつくハッピーエンドですね。
紅さんのお芝居はちょっと苦手なので、1幕はかなりしんどかった。オームじゃなくて「サービス精神旺盛なタカラジェンヌの紅ゆずるさん」がそこにいるように見えてしまう。この方は大変サービス精神に富んでいるから、コメディをやるとやりすぎるように感じるのだわ。役を超えてしまうように感じる。私は憑依型の役者が好きだから、このタイプがちょっと苦手なんだな。
紅さん、今回は歌も私が思ってたより良かったし、ダンスも。トップなんだな~って今頃(すみませんね~あまり見てなくて実感が)。


シャンティプリヤ【女優】/サンディ【謎】(綺咲 愛里)
シャンティは人気女優なのに、秘密結婚してて、新作映画の直前にある日行方不明になっても騒がれないの?と大変不思議な存在だった。(なんだかちょっと『開演ベルは殺しの後で』を思い出した。あれは本格ミステリーでシリアスで今回とは全然違うけど、ちょっとこの辺の設定が似てる)。ムケーシュ氏はよほどうまく後始末していたのでしょうね。
彼女の恨みは相当ですね。30年間沈黙していたのは、ムケーシュがインドにいなかったからかな?アメリカまでは憑いていけないか。
彼を呼び戻すタイミングでオームが覚醒するなんて、やはり黒幕はシャンティ?「幸せな主婦(?結婚生活?)」に相当思い入れがあったみたいだし、愛しい夫にお腹の子供ごと焼き殺されたらそりゃあ恨みも深いわ。30年間化けて出なかった方が不思議なくらい。いろいろ動かしながら時を待ってたんですね。この作品ではあまりホラー色が強くないけど、2幕のクライマックス、あれ結構ホラーだよねえ・・・。
そしてサンディ。あんた誰?という感じ(笑)。オーム(富)の一ファンだけど、シャンティに顔が似ていたので、シャンティがのりうつったの?(なんとなくシャンティは復讐果たして成仏した感じだったので、サンディはまるで関係ない人に見えた)。
ともかく中身はシャンティじゃない全く別人のサンディですが、顔が同じなのでオーム(貧/冨)に愛されてるようなので幸せになれるでしょう。
綺咲さんは可愛い!というのは前ら思ってました。歌が・・という記憶があるのですが、今回とっても良くなっていたと思います。お芝居もこんなに上手かったかな?と思うほど(失礼)。私の記憶の中よりずっとグレードアップしてました。


ムケーシュ【プロデューサー】(七海 ひろき)
シャンティの夫で、火事の後予定通り金持ち娘と結婚してスタジオを手に入れ(インドは娘の持参金が巨額だものね~)ハリウッドで成功した男。彼自身の才能もあると思うけど、だからこその野心なんでしょうね。シャンティが望む小さな幸せでは満足できなかった。向上心が強くて、良心の呵責なく上を目指し行動力も運もあったようです。
なんでシャンティと結婚したの???というのが最初から謎。秘密にしておくなら結婚する必要ないやん?ああいう男は容易に結婚しないと思うし。シャンティの持参金も多かったの???
一度は上手く片付けたのに、覚醒したオーム(富)に過去を暴かれてしまいました。これからどうするんでしょうね?証拠も見つかったし、償わなきゃならないのかな。巨額の保釈金で何とかしそうな気もする。
七海さん、ものすごくかっこよくなっててびっくりした。もっと歌えなくてもっと頼りない印象があったので(失礼ですね、宙の頃に見た切りかも?記憶にある印象が古くてごめんなさい)今回一番かっこよかったです!30年後のダンディなおじ様も素敵でした。


べラ・マキージャー【オーム(貧)の母親】(美稀 千種)
この人がキーマン。シャーマン?とも思うような言動が多々ある。オーム(貧)に対しても、「お前の夢はかなう」というようなことを言ってるし(夢は叶ったみたいに描かれてるけど、転生してるから、言い切って良いのだろうか・・と思う)。
いきなり金持ちの息子に、「おまえはうちの息子!!」って。年も全然違うやん?ぼけてるかキチガイと思われてもやむなし・・という雰囲気です。よく中に入れたね。それがきっかけでオーム(富)は前世を思い出すから、この母は霊能者ではないかと思ったのでした。
最初から最後まで強烈な個性でした。


パップー【オーム(貧)の親友。売れない脚本家】(麻央 侑希)
大変出番が多く特に1幕では2番手か?というほどの役割。ずっとそばにいて支えてるんですね、肝心な時にはいませんが。
2幕でも輪廻転生した後のオーム(富)にしっかり協力し、30も年齢が違うのに、(魂は同じかもしれないが)全く別人なのに、親友として付き合うとか。大変「中身を見る」人だ。
30年後も良い人で、良い老け具合でした。


ラージェシュ・カプール【オーム・カプールの父】天寿 光希
お金持ちのスポンサーでしたっけ。オーム(貧)を車で撥ねてしまって殺してしまい、それを隠ぺいした(のは秘書ですが)、ように見えました。いい人なんだか悪い人なんだか。
インドの上流階級の生まれなら、それが当然常識のよーな気もするし、大した罪にも問われないようにも思う(インドの人ごめんなさい)。
オーム(貧)はこの人に殺され消息不明にされたのに、まったく復讐しないんだな。
この人の子供に生まれて30年間財産を浪費したから、それが復讐なのか‥?昔そういう少女漫画があったな~金持ちの車に轢き殺された猫が金持ちの娘に生まれ変わり、財産を食いつぶして家を破産させる復讐をするという。。そのパターン??オームが覚醒してから、まったく出て来なくなり、(存在すらも意識してもらえない)30年大事に育てたのにその扱い?と思ったのですが、これが復讐ならそれもありなのだろうな~と思ったのでした。


スバーシュ・ガイ【映画監督】瀬稀 ゆりと &リシ・ガイ【スター】十碧 れいや
映画監督とその息子のスター俳優。30年後も変わらず現役なところが凄いと思った親子。
いろいろとポイントに出てきて、「映画界の話だったよね!」と思い出させてくれる存在。
服装から人柄までコメディ担当な人物でした。30年後の老化具合がなかなか激しくて、いい感じでした。


ヴィミー【レポーター】白妙 なつ
特に重要な役でもなんでもないけど、一番声が綺麗だったので印象に残った方。


客席おりと客席ダンス
2幕途中とフィナーレと2回も客席降りがあり、幸いなことに1階通路側の席だったもので、何度もハイタッチして貰えた♪2度目には、ビンディシールまでいただいた。
小柳先生らしく、客席で客も踊るための振付講座があり、紅さんご指名の美希さんの指導の下みんなで練習し、本番に除む。客席降りの2回目はまさにこれ。客席で踊らざるを得ない。
ただ、「フットルース」の時よりも振付が簡単だったので助かった・・。(あの時はペンライトまで購入して、結構ややこしい振付をウィラード気分で泣きながら覚えたなあ)
動くの苦手の私も参加し(だってジェンヌさんが横で踊るんだもの・・・)ハイタッチしていただいたりして気分が盛り上がったので、踊りに参加しました。最初に書いた疑問が吹っ飛ぶ瞬間でした(笑←やっぱり覚えてたけど)
「細かいことはどーでもいい、楽しけりゃんだよ、踊って忘れろ!あ~楽し~♪」って気分。



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はるか

コメント失礼します。
私は関東在住なのですが、国際フォーラムのチケット抽選に外れてしまいまして......。
もう少し余裕が持てるようになったら関西遠征もしてみたいところです。

前置きは以上で。
まだ観劇しておらず、原作を齧っただけで失礼します。
確かにボリウッド慣れしていないとわからないストーリーですよね。
マハトマ・ガンジーによって「法律的に」カースト制度は根絶したものの、やはり習慣が根付いてしまったものは払拭できなかったのでしょう。
インドではまだまだ根強く残っている問題です。
確か名字でその人がどのカーストに属しているかが判明してしまうから、オームは名字に拘ったのだと解釈しています。
しかもカーストは進学先や就職先まで狭めてしまいますので、成り上がることは非常に困難でしょうからオームが物欲的な願望を抱いたのもおかしくはないのかなと思います。

エリザベートに引き続きこのようなコメントで恐縮です。
再来週に東京宝塚劇場の花組公演を観劇します、お互いお芝居を楽しみましょう!
by はるか (2017-07-26 18:57) 

えりあ

コメントありがとうございます。やっぱり苗字でわかるんですね。
きっと高貴な姓と庶民の名前が国民ならすぐわかるんですね(日本でいえば、マキージャが鈴木とか山田とかで、カプールが徳川とか近衛のような雰囲気?)
この作品、インドの庶民にはとても身近で分かりやすいお話しなのだろうなあ~と思います。たぶん私たちが水戸黄門を見て違和感なくスッキリハッピー!と思える感じで。今の法律がどうなってても、庶民の頭の中の常識で、「ハッピーエンド!」と思える楽しいお話しなんでしょうね~
歌劇の世界も、アングロサクソンの正義に毒されてるのかも?(笑)。アメリカ映画にある常識って、グローバルな正義といいつつ実はアングロサクソンの正義であって、インドのコモンセンスはまた違いますよね。実は日本も、フランスやイタリヤなどのラテン文化の欧州諸国もまた違う。・・っていうことを今回考えてしまうほど。私は日本の文化に基づく「阿弖流為」に心酔しましたが、そういうことなんでしょうね。

東京花組は、古代日本ですが、・・・あれも外国の方にはわかりにくい世界ですね。ともあれ華やかなのでお楽しみください!


by えりあ (2017-07-27 21:56) 

mako

 通りすがりで失礼致します

名前〉インドの芸能界は日本の歌舞伎の世界に似ています。
団十郎の子は団十郎、菊五郎の家に生まれれば・・・という感じでしょうか。
勿論、中村仲蔵のように実力で這い上がる人もいますが、名門の出とスタートラインが全然違います。
有名な所ではカプール一族でしょうか、劇に出てくるバッチャンはアミダーブ・バッチャンを指してるのでしょう、日本で言えば森繁久弥さんみたいな人。

インドはまだまだカースト制の残滓が強く、生まれで職域も大体決まってしまいます、例外がITエンジニアと医者、だから、競争が想像出来ない程、苛烈。
その辺は映画「きっと、うまくいく」で、よく描かれています。

長々と失礼しました。
by mako (2017-07-29 09:41) 

えりあ

makoさま

歌舞伎界!すっきりしました。
分かりやすいた例をありがとうございます。
ご紹介いただいた映画、見てみたいと思います。
by えりあ (2017-07-30 20:05) 

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