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宝塚月組バウ「アンナ・カレーニナ」 [観劇感想(宝塚)]

宝塚月組バウ「アンナ・カレーニナ」
2019年1月13日(日)14:30 16列センター


初演2001年の朝海さん版は見た。当時の記録がないので、うろ覚え。
今回ほとんど新作を見る気分で見ました。

衣装とセットが美しい!初演から変わって幻想的に美しくなってる(と思う)
主役3人が嵌っている。3人ともなんて綺麗なの。
物語そのものは共感しがたく重苦しい話だから、見目麗しくないと!

初演観た時も、カレーニンに一番感情移入して、アンナとヴィロンスキーはひどいわ!
と思った記憶があったけど、今回もやはり物語的にはカレーニンに惚れる。
また月城さんの芝居が良いのだ。不器用だが愛情深い男が素晴らしい。
こんなかっこいい優しい旦那がいてなぜ?となる。
1回目の浮気は許そう、でも2回目は納得できないよーと心から叫びたい。
ハーレクインロマンスなら、ヒーローはカレーニンだ。絶対。
とはいえ、本作はロシアが誇る純文学でありハーレクインロマンスではないし、ヒロインの海乃さんの狂気の入った女が上手くて、どうしようもない感情と行動が納得できた。(なんか狂気に陥る役が続いてますけど)
ヴィロンスキーは自分勝手な美しい若造に見えたので、正解か。
とにかく王道の三角関係恋愛もの、重厚で悲劇なロシア文学を堪能した。

201901月あんな.jpg


Musical
『Anna Karenina(アンナ・カレーニナ)』
原作/レフ・トルストイ
脚本・演出/植田 景子


原作は読んでない。初演は見たけど、朝海さんが美しくて冷めてるのに愛に燃える男で、紺野まひるちゃんが瀕死設定なのにうわごとが元気で死にそうになくて、貴城さんのお鬚姿がカッコよかったことしか覚えてない。
今回、美弥さんはやはり美しくて、でも熱くて自分勝手な若者感がとても出ていて、嵌っていたと思う。学年からすると信じられないくらい嵌っていた。普通これほど学年が離れていたら(失礼)6つも下のカレーニン相手に若造するのは難しいと思う。それが成立していたところに、完成度の高さを見た。美弥さんの持ち味を生かした作品でした。もちろん落ち着いた月城さんの持ち味も相乗効果あり。海乃さんも落ち着いているから。若い二人が落ち着いているから、美弥さんが「熱に浮かされた若造」に見えるし、持ち味ばっちりで大成功だ!と思いました。

こういう三角関係物は、役者のビジュアル持ち味が嵌ると、完成度が高くなりますね。王道テーマなので、まずそこが嵌らないとみていてつらい。自分ではどうしようもない社会状況から追い詰められた悲恋ではなく、勝手に(言い過ぎ?)に追い詰められていった二人だから。不倫の関係を「真実の愛」といわれるのは、どうしても違和感があるし。だから普通にあらすじ読んでもカレーニン贔屓になるのに、またカレーニンがかっこいいのだわ。カレーニンがさ、しょぼくれた中年とか、スケベなエロ親父とか、性格悪いDV男なら共感度変わると思うが(私も自分勝手)、歴代のカレーニンはみんなまじめで不器用なだけのイケメンで優しい紳士。主人公二人の愛に共感を!がテーマなら、カレーニンがカッコよくてはいけない。観客誰からも嫌われる男にしないと。しかしここは宝塚なので、三角関係の3人は美しくなければならない。故に、カレーニン贔屓にならざるを得ないのだ。今回の月城カレーニン、見た目も性格も本当に好みで、夫としてベストではないかと思うくらい好みのタイプ。

ロシアモノって重く暗いけど、「アンナ・カレーニナ」はまだ舞台が貴族社会なので、衣装や背景が豪華で美しくて良いですね。


アレクセイ・ヴィロンスキー伯爵(アリョーシャ)/美弥 るりか
【輝かしい将来を嘱望された青年貴族将校】都会に住んでいる調子の良い若者なのですよね、周囲が進め本人もまあ悪くないなあと思える恋人(キティ)も居て、順風満帆の人生が約束された政変。そのあまりの順調さに、「このままおわるは面白くない」という予定調和への不満があり、劇的な運命之訪れを期待していたと。そこへ運命の女性アンナと出会った。そこからは考え無しに、想いのままに突っ走ってます。自殺を試みるほど追いつめられたはずなのに、2度目の不倫。一度目はともかく2度目って・・・というところに、どうしようもない運命を感じさせる作りです(個人的には「懲りない奴ら・・・」と思ってしまいましたが)。この辺りのストーリー展開がさすが文豪なのでしょう。
ともなく、彼は、母も友人も仕事も子供もすべてを投げすて、アンナだけを愛した。凄いです。彼女との子供まで忘れ捨て去るくらいですから。ラストシーンは、運命の女性アンナを失い、消極的自殺と言われるような行動をとりますが(戦死率の高い戦場へ向かう)、彼は生き残ってしまい、空虚なまま老年まで生きるのではないかと思いました。それがすべてを捨て去り壊した彼が受け取る人生だと思います。(と、これは私見)
美弥さんは無謀な若者に見えました。容姿は綺麗な若者で、あの学年にしては驚くほど「若造」でした。月城さんも海乃さんも大人っぽいからでしょうか、考え無しの熱い若者ぶりほんとびっくりした。でも、英さんと親友というには、かなり年長に見えましたね。でも若いキティ(きよらさん)とはお似合いに見えたし、不思議な方です。


アンナ・カレーニナ/海乃 美月
【知性と美貌を謳われる政府高官の妻】まだ若いのですね、結婚8年と言ってますが、かなり若くして結婚している。原作を読んでませんが、ヴィロンスキーと同じくらいか少し年上なのかな。彼女も迷い無くヴィロンスキーに突っ込んでいきました。あ、唯一の迷いは息子だけ。彼女も最愛のヴィロンスキーとの娘を捨て去っているのが不思議。夫との息子は大事で最後まで気にしているのに。
今回(というより宝塚版)はカレーニンが不器用なだけのかなり素敵な旦那様なので、「なんであの素敵な旦那様を捨てて、かっこいいとはいえ、破滅の男を選ぶのか?」と疑問がわいて仕方ないですよ。今回は、アンナとカレーニンがお似合いに見えたので余計に。
貞淑そうな見かけに寄らず、情熱の女ですね、アンナ。兄が言ってましたが、若い頃から遊んでいればここまで破滅しなかっただろうに、と思います。「愛に死にたい」といってましたので、相手がヴィロンスキーでなくても、彼女はいつか破滅の愛に殉じたように思いました。
海乃さんは破滅に向かっていく女性が上手い。あたり役といえるかと。「Last Party」も今回も、病んでいく様子が見事。正統派のヒロイン役ではないけれど、素晴らしいヒロインです。
個人的には、前作の影響もあるのか、月城カレーニンとお似合いのカップルでしたよ。


アレクセイ・カレーニン/月城 かなと
【信心深く厳格なロシア政界の要人】早くに両親を失い、兄と二人で生きてきて、その兄さえも失った孤独な男。それゆえ愛する想いも暖かい心を持っているのに、それを表現できない不器用な人。と描かれていました。見た目もダンディでイケメン、背も高くて落ち着きがあって、包容力も財力も権力もあり、それでいて浮気しそうにない最高の旦那様。子供も可愛がってくれている。彼のどこに不満が?と思える。景子先生は絶対にカレーニン贔屓だと思う(笑)
ヴィロンスキーの出現でアンナがよろめき、カレーニンも危機を感じて、感情を出すよう変化している。だんだんと。一度目の不倫のを許したあたりから、アンナが望むコミュニケーションを取れるようになっているのに・・・。彼女が死にかけたときは、真剣に付き添い彼女のすべてを許し受け入れている。それでもまたアンナはヴィロンスキーを選ぶのだから、もうやってらんないよね。なのに、アンナとヴィロンスキーの娘も自分の娘として大事に育てるって。あなた聖人?というくらい慈愛の人だ。あの娘(アーニャって言ったから、アンナだよね)の名前を付けてお世話して可愛がっているのは、カレーニン(と息子フョードル)だけだよね。この後、親子三人で幸せに生きていくと思う。
月城さんはもともと雪時代からいいなあと思っている方ですが、今回本当に素晴らしかった。私なら絶対にカレーニン!!!と思いました(笑)いえ本当に、1度目の危機の後二人をもとのさやに戻すストーリ-にしたいくらい。彼を幸せにしてあげたいと思いました。ああ、カレーニンが主役に成ってしまうわ。愛に不器用な男の切ない愛情が切々と伝わってきて、カレーニンに惚れました。月城さんの芝居が大好きです。



ベッツィ・トヴェルスコイ公爵夫人/美穂 圭子
【社交界を牛耳る貴夫人】ということですが、どう見ても「もめさせたい」タイプのおもしろがり夫人。みんなの幸せのために!と一人ではしゃぐおせっかい夫人(根は善良)では無く、あえて混乱させて破滅をもたらしそれをおもしろがっているような節が感じられる。かなり意地悪。・・・に見えてしまいましたわ。だっていらんことばっかりするんだもの。彼女がいらんことしなあったら、カレーニン夫妻は元に戻って、アンナも一抹の不安を抱えながらも普通に幸せに生きていけたと思うのに。あえて、ヴィロンスキーのもとに戻るようにけしかけ、二人を破滅させた。カレーニンだけは心が強いので煽られず破滅を免れたけど。まったく凄い役です。それをさりげなく「おせっかいな良い人風」に演じている美穂さん、凄いです。

コンスタンチン・レーヴィン(コスチャ)/夢奈 瑠音
【大地に根差した素朴な生活を営む田舎貴族】今回一番善良で素直な愛に溢れた良い男に見えました。そりゃキティも惹かれる。最初から父は彼を薦めていたしね。男は顔(お洒落度とか見た目のかっこよさ)ではなく、ハートなんだ!ということを思い知らせてくれました。ヴィロンスキーの対極にある男で、キティを挟んで対比が見事でした。キティは賢明な選択をしました。
コスチャは周囲を自然と味方に付ける暖かさと人の良さを感じられて、野暮ったいけど(役がね)素敵な男性に見えました。
夢奈さん、野暮ったいけどハートが素直で最高の男性を見事に表現されていました。素敵です。

エカテリーナ・シチェルバツキー(キティ)/きよら 羽龍
【純真で可憐なシチェルバツキー家の末娘】ヴィロンスキーに憧れ、彼と結婚できそうになるのですが、アンナの出現でそれがご破算に。でもアンナを恨む事無く、自分が振ったコスチャを気にするなど、優しいお嬢さん。彼女はコスチャとの方がお似合い。ヴィロンスキーを結婚しても、彼はきっと浮気しまくるだろうから、幸せになれたかどうか(さすが父は見抜いてましたね)。
きよらさん、綺麗な声。可愛らしい容姿。黄色いドレスは似合う人が少ないと思うけど、普通にヒロインタイプの貴族の令嬢でした。まだまだ若いのですよね、この大役をきっちりとこなしてました。娘役2番手の役ですもの。憧れと現実に揺れる乙女心がとても素晴らしかった。


ステパン・オブロンスキー(スティーバ)/光月 るう
【人生に自由と快楽を求めるアンナの兄】浮気男で妻が病みそうになってます。熱い恋の狩人なんですね。その彼が、アンナは私と似た者同士とか言ってるから、アンナも相当・・男だったら普段から浮気していて処世術も身につけるでしょうに。アンナの本質を分かっていて、カレーニンのような謹厳実直な男性と早くに結婚させたのかな?と思いました。

ダーリャ・アレクサンドロヴナ(ドリィ)/楓 ゆき
【スティーバの妻でキティの姉】夫の浮気で病みそうに成ってますが、大騒ぎする事で発散しなんとか暮してます。でもアンナの行動で愛の破滅を見て、夫も浮気をやめそうなので、これからは幸せに生きていけそう・・かな。どこにでもいる普通の奥さんという感じでした。


シチェルバツキー公爵/響 れおな&公爵夫人/清華蘭
【キティの父親と母親】落ち着いた見る目のあるお父様と、超美人のお母様。キティの母だよね〜納得、でもダーリャの母ではないのよね?と思う若さと美貌。公爵自慢の妻ですね。ダーリャとキティは年齢も相当離れているみたいなので、この夫人の子はキティだけで、夫人はトロフィーワイフなのかと思ってしまいました。
こんな美人が居たなんて!とオペラグラスで追いかけたくらい私の好みです。


セルプホフスコイ/英 かおと
【ヴィロンスキーの旧友でライバルの侍従武官】ヴィロンスキーのライバルで、彼にも用意されていたような「愛はないけど、出世はOK」という名門の女性と結婚し、出世街道ばく進している方。ことごとにヴィロンスキーとの対比が出てくる。彼は愛を軽く見ていて、出世を大事にしているところが違うところ。最後には、ヴィロンスキーをうらやむのですが・・。自分にはできない事をやってのけたので、そういっているだけで、自分は絶対にやらない賢明さを持っていると思いました。
ヴィロンスキーとライバルで同格というにはちょっと・・若くて頼りなく見えてしまいました。美弥ちゃんとは年齢が違う〜、仕方ない面もあるけど。もうちょっと押し出しが欲しかったなあ。


その婚約者/姫咲美礼
出番は少ないけれど、彼女も「政治のため」と割り切った結婚で、夫には愛を求めてないのがよくわかった。釣り合いが良いからのカップルですよね。陰での浮気ならOKというタイプ。もちろん自分も。高飛車なお姫様ぶりも伝わってきて、良いお芝居されていました。


ヴィロンスキー伯爵夫人/五峰 亜季
【アレクセイ・ヴィロンスキーの母親】最初はアンナをお友達として接していますが、息子との事を知ってからは罵倒。母なら当然だけどね。息子をいさめているけど全然言う事聞いてない。正直、この若めで綺麗な母ではなく、もっと田舎の善良な母で、ヴィロンスキーが罪悪感を痛切するような、息子の親不幸を、観客が母の身になって共感できるタイプの役者さんが良かったのでは・・と思う。五嶺さんはあまりお芝居が上手くないと思っているので(昔から。ダンサーだもんね)、この重厚な心理劇には、ちょっと合わなかった思います。

アンヌシカ/香咲 蘭
【アンナの小間使い】この人はアンナの少女時代からの小間使いですよね、カレーニンはほったらかしでアンナの事ばかり。いらんことしいその2でした。ちゃんとした侍女なら、家の事や夫・子供を考え、女主人を諭すのに、小間使いだから言いなり・・なのかと思いました。女主人に似て結構勝手な小間使いでした。


こんな感じ。ロシアの文豪にいちゃもんつけてますね・・。

見に行ったのは1月半ば。個人別感想はすぐ書いた。でも前半の総論部分が書けてなくて箇条書きのまま放置。家族がインフルエンザになって、仕事も忙しくなって、雪組とOSKを見るために東京へ行ったりして、やっと完成した。まだ箇条書きのものがいっぱい溜まっている。宿題をためてる気分。ただの言い訳です。。。早く書かないといろいろ状況が変わるし忘れる。


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