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宝塚宙組DC『群盗-Die Räuber-』 [観劇感想(宝塚)]

宝塚宙組DC「群盗-Die Räuber-」
2019年2月10日(日)シアタードラマシティ 14列センター

骨太で重厚な文学作品、音楽はベートーヴェンでドイツリートも多用され雰囲気が素晴らしい。背景のセットも動かないが、凝っていて美しく、照明でとても雄弁に場面転換していた。
主役の芹香さんは、その重厚な文学作品で、精彩を放ち、主役然としていた。ラストは納得できないが(これはシラーか小柳先生に文句をいうべきだし)、まあ良かった。
弟、ストーリーテラー、群盗メンバー、おじさまがたまで全員に見せ場があり、不要な人物がなく小劇場向けにきっちり作られていたのも好感度大。小柳先生は父子の葛藤を書かせると上手いのだろうか。
観劇していて、太田哲則先生を思い出したわ(今のファンは知らないよね)

あとフィナーレが凄く素敵だった。小柳先生はフィナーレも素敵なので一度ショーを見たいわ。

ポスターすごく素敵ですよね。こういうの大好き。

201902宙群盗.jpg


ネタバレあります。驚きたい方は観劇前に読まないよう注意してください。

ミュージカル
『群盗-Die Räuber-』
-フリードリッヒ・フォン・シラー作「群盗」より-
脚本・演出/小柳 奈穂子



原作は読んでない。あらすじくらいしか見てないから、ストーリーがどこまでオリジナルでどこから脚色なのかわからない。骨太の文学作品という感じで、途中まではかなり共感しながら興味深く見ていた。
ラストが・・・予想外というか、当時はこういうのが最先端だったんだな~というしかない。私ならラストを改変するのに!と思っただけ(もし改変してこれなら小柳先生のセンスを疑う)。
こういう文学作品は、作品が書かれた時代背景が大変重要だから、それを現代の観客に見せて共感させるには、作品のもつ普遍のテーマを生かして現代人が共感できるようにアレンジするか、そのまま時代劇として上演するかの2つしかないと思う。今回は後者ですよね(原作タイトルそのままタイトルですもん)。この方法は賛否両論になるのは必然でしょう。
役者はしっかり演じていて、背景も照明も効果的。衣装も時代考証が割とあってるような(詳細は分からないけど)。演出もブツ切れ感がなく睡魔も登場せず、とても良かった。だからラストシーンだけがなあ・・・・あんな決着のつけ方、現代だったら不満続出だと思うだけに、なんかもったいない。改変してハッピーエンドにしてはいけなかったのか。ハッピーというより、最後の希望とか救いの一筋の光が見えるラスト。下手にやると勧善懲悪の水戸黄門かハリウッド映画になりそうだけど、そこをうまく踏みとどまれば、素晴らしい作品と絶賛されたかもしれない、と。いまは絶望しか感じられないラストだから、重いわ。

ともあれ。芹香さんはかっこよくて、「主役」という華やかさと押し出しがあふれていた。2番手は、弟フランツの瑠風さん、3番手がストーリーテラーも兼ねたヴェールハイト鷹翔さん。この二人はプログラムで大きめの写真にしてあげて欲しいくらいの活躍だ。歌も芝居も安定していて頼もしい若手スターですね。あとはお化粧をもう少し頑張ってほしいところ。
ヒロインは婚約者アマーリア天彩さん、もう一人のヒロインがリーベ華妃さん。可愛くて歌えるヒロインと、凛々しくて歌えるヒロインで、破綻無し。
群盗メンバー5人も含め、みんなに見せ場があり、個々のファンの方は楽しいと思う。私は宙組はあまりなじみがなく、今回の出演者では本当に芹香さんくらいしかわからないほどの若手メンバーだと思う(宙ファンから見たら違うのかもしれないけど、本公演1回くらいしか見ないファンなのでご容赦)。それが良いほうに作用したのか、「スターに見せ場を」という番手制度による忖度がなく、物語上での重要性でそれぞれに場面が与えられていて、お話がすっきり分かりやすかった。
物語のカギとなるお父様や叔父様方もしっかりしたお芝居で、そこに専科さんが一人もいないことにも驚いた!すごいやん、ちゃんとオジサマ方に見えた。この物語って、お父様と叔父様がカギだものね。ここを演じる役者がだめだと話そのものがだめになる。とても良かったです。

今回見ていて「プロヴァンスの青い空」という月組DC紫吹淳さん主演の太田哲則作品を思い出した。あれも育ちの良い若者が破滅の坂を転がり落ちていく物語だった。当時は太田先生といえば、文学作品を原作とした骨太な文学作品があって、(眠くなる時もあるけど)ストーリーや解釈で賛否両論でよく喧々諤々していたことを思い出す。最近はこういう純文学的な作品見ないな~と思う。現代人に受け入れがたいのかな・・・と今回思いました。



カール/芹香 斗亜
伯爵家の息子で、厳格な父と病弱な母、可愛い従妹、訳ありの異母弟とで育つ。少年時代はあとで書くけど、結構幸せそうで、あれくらいの葛藤ならどこの家にもあるよな、程度。そのままおおらかに育ち、外の世界を見たいとライプチヒ大学へ。そこで(当時は)過激な思想に傾倒し、父と関係が上手くなかったところを弟に突かれて、「正義のためには手段は択ばない」とそそのかされ犯罪者へ転落。あのまま上手く革命運動にまで拡大出来たらよかったのでしょうが、そこは人材不足と計画不足で(だって彼ら流されるままだもの)、ちょっとしたことで民衆に手のひら返されてしまいました。この辺りは「レミゼラブル」のアンジョルラスたちと似たような状況に見えないこともないけど、決定的な違いは「犯罪」ですよね。どんな崇高な目的のためでも、手段が犯罪(政治犯や思想犯ではなく、純粋たる窃盗犯だ)だったら、そりゃ民衆はついてこないって。そこに思い当たらなかったのがカールの甘さ。さらには群盗の軍師に当たる役割を、思想的にしっかりした学友ではなく、抑圧されて不満だらけの下層階級の(思想的な基盤のない)欲と復讐で動く男にしたところが愚かすぎた。
カールはカリスマ性があり、思想的にもきっちりしていたので、彼を支える右腕となる男がしっかりした平民(下層)出の学友であれば、革命運動にまで昇華できた‥かもしれない。でも欲望と復讐という崇高な理念(革命には必須)からほど遠い感情で動く男の、詭弁を受け入れて行動しまったところから「群盗」そのものが破滅へ進んでいたんですね・・。
カールは人が良すぎて、人間の欲望を知らなかったんでしょう。だから弟フランツの複雑な胸中も自分への反感も、鬱屈した叔父が抱える父と自分への反感も、全く気付いていなかった。足元をすくわれても仕方ないわ。脇が甘すぎる。彼の周りが善人ばかりであれば、人の好い良い領主になったでしょう。領民のために伯爵家が赤字になるような経営をしそう。しっかり者の弟が実質経営し、領地を安定的に黒字にして、慈悲深い伯爵と美しく気高い夫人は領民に慕われる・・と。
ヘルマンの黒い想いに全員が飲み込まれましたね。
芹香さんはかっこよくて、黒い18世紀衣装もお似合いで、凛々しかったです。見事に「カール」を表現されていたと思います。すなわち。弟に妬まれる明るさと華やかさ、そして陰謀にまんまとはまる人の好さ。詭弁なのに、強弁されるとついYESと言ってしまう足りなさ、深く考えない楽観性。貴族のボンボンですよね~フランツやヘルマンが妬み、リーザが憧れ、シュピーゲルベルクが無意識で嫌っていた彼の本質。ただ、これは芹香さんの所為では全くないけれど、私が思うに、どんなに煽られてもアマーリアを刺してはいけなかった、汚点はその一点ですね。一人残される彼女を思って、というより彼女の「天国から云々」の演説に乗せられたように見えました。シュピーゲルベルクの詭弁に乗ったと同様に。もう少し思慮深ければ、もう少し感受性が豊かであれば、違った人生があったものを、と最後の最後に思いました。これが演出家の意図通りだろうから、芹香さんは、客席の残念喪失感を引き出した素晴らしい役者です。堂々たる主役でした。


フランツ/瑠風 輝
伯爵と水車小屋の娘との間に生まれた息子。母が亡くなるまでは多分母子二人暮らし。そして父に引き取られる。父もあの通り愛情を表に出す優しいタイプではなく、高圧的。その妻は病弱で実の息子すら構ってない。叔父は黒い想いに歪んでいる。そんなところに放り込まれたら混乱するよね。彼からすれば鈍感な恵まれた異母兄は、見ているだけで腹が立ったでしょうね。いっそ兄がいじめてきたら、それに反発して頑張れたかもしれないけど、兄は特に何も考えてなく、「今日から弟?よろしく」という感じで、反応しようがないよね。
とうわけで、彼もヘルマンに洗脳されていき、黒い陰謀に加担してしまいました。父親に手を下せなかったことから、彼も葛藤していたと。気のふれた父との会話に、「自分を見て欲しい」という彼の心の叫びが見える気がした。誰もフランツを見ていないから、それは孤独でしょう。陰謀に隠された彼の心があまりに哀しすぎて。さらにはあの最期。フランツには幸せになってほしかった。
瑠風さんのお芝居も歌もすごく安定していて見ごたえがあった。ちょっと老け顔に見えたので、暗い固めの衣装のほうが似合い、淡い色の華やかな衣装が似合わない。そのあたりもフランツの境遇や心理と相まって、すごく良い効果をもたらしていた。すごく良かったです。主役と対立する2番手、見事役割を果たされていました。

アマーリア/天彩 峰里
ヘルマンの娘で何も知らない可愛らしい貴族の令嬢。親が決めたカールの婚約者であり、本人もそれを望んでいる。アマーリアはカールを愛しているけど、大学へ行く前のカールはアマーリアに好意を持ってはいてもただ一人の女性として愛してはいない。彼女への愛を自覚したのは、すべてを失ってコジンスキーに出会い、彼の恋人の話を聞いてから。めっちゃくっちゃ遅い!アマーリアの片想いのようでちょっと可愛そうになる。
カールが大学へ行く際に、「母の形見の指輪」を「帰れなくなったらそれを売って帰ってくればいいわ!そんなのいらない(カールさえいればいい)」と言いながら渡しているのに、ぜんぜん真意に気づいてもらえない。(カールはその指輪を、酒場の税金のカタに役人に渡すのよ、気軽に。あまりにアマーリアの想いが伝わってなくて、ちょっと唖然とした。)
そんな鈍感男でも、善良で明るいカールが好きだったのね。彼女がフランツを少しでも愛してあげていたら、また違った展開があったと思うけれど、それはなかった。アマーリアは相当なツンデレだけど、フランツもだから。アマーリアは彼の本質や本心に全く気付いてなかった。カールも鈍感だけどアマーリアも自分しか見てなかった。不幸な組み合わせだったわ。
最期はやけっぱちになって、えらい啖呵を切って演説し、単純なカールを煽ってしまいました。あとから後悔しているじゃないかな・・・。
天彩さんはとても美しく上品な令嬢で、歌も上手くて、立派なヒロイン。姫ヒロインでした。


ヴァールハイト/鷹翔 千空
最初から最後までずっとストーリーを語ってくれた小役人。声が良くて語りが上手く、とても聞き取りやすい。
語り部だけではなくちゃんと「役人」として場面にも出ているし、彼なりに成長の物語もある。オイゲン公との最後の場面は、セリフも少ないのに、すごく伝わってくるものがありました。
権力側のヴァールハイトだって、今のままの世の中では良いとは思っていない、何とかしないといけないと思っているのが伝わってくる。その手段に犯罪というのはいけない、だからカールたちに惹かれつつも支援できない。彼らがもっと違う手段をとってくれていたら・・彼は味方になったと思う。そんな心の揺れが見えるように感じた。


リーベ/華妃 まいあ
酒場の娘で、彼女らを助けてくれた王子様カールに憧れている。リーベは明らかに、カールの傍にいたくて、カールと一緒にいたくて群盗に入っている。カールにアマーリアというお姫様の婚約者がいるのを知った時の絶望感、でも傍にいるのは私!同じ思想で結ばれた仲間!という意識で生きている。リーベの想いにもカールは全然気づいてないというか、そっけないですよね。おそらくカール以外は全員気づいていると思うほど露骨なのに。シュピーゲルベルクの嫉妬にも気づいてない。もう脇甘すぎ。
切ない恋心は、カールの全く知らないところで彼に裏切られ、仲間を売るという行動に走らせた。リーベの気もちもわかる。リーベは革命思想よりカールの傍にいたかったから仲間だったというのが良くわかりました。切ないねえ。
歌が上手くて、しっかりした女、それでいてしたたかな姐さんではない微妙な乙女心を表現していた。素敵な娘役さんですね!


モール伯爵/凛城 きら
カールとフランツの父、ヘルマンの兄。最後になって妻と愛人への感情が語られる。最初の場面では融通の利かない厳格な父親、領主として登場し、後半は哀れな父として登場する。この作品はモール伯爵と二人の息子の物語といえるよね。それは、そのまま、モール伯爵の父と弟ヘルマンとの関係にも重なる。この2代にわたる葛藤、弟の兄への嫉妬と暗い感情。これがどこから来ているのかが知りたい。モール伯爵とヘルマン、カールとフランツ。彼の妻シャルロッテの恋人というのがヘルマンなら、筋がすっきりする。家を継ぐからという理由で恋人を取られたなら、そりゃあヘルマンも不満爆発、兄へは憎悪だ。ここがはっきりしたり、彼ら3人の若かりし頃の場面があれば、よりすっきりしたかも。
モール伯爵も妻や息子に愛情があったのだけど、ツンデレなので全く愛情をあらわにせずかえってこじらせていました。伯爵、フランツ、アマーリアと、ツンデレの血筋なのですね。
凛城さんの芝居は専科さんのように素晴らしかったです。これはカギになる人物、彼が若く見えたり父に見えなかったら終わる。さらにはツンデレで複雑な感情もみせなきゃだし、気が狂って幽閉されてたりするし。良い役者さんになられましたわ。


ヘルマン/希峰 かなた
もう一人のキーマン。伯爵の弟ですべての陰謀を十数年かけて実行した人物。フランツに吹き込んでいったのは彼、フランツと父親の関係を冷酷に、フランツとカールの仲を裂いて、陰謀を実行した。ヘルマンの兄への恨みが理解できなかったので、シャルロッテ恋人説を出したが、でも実は「兄が兄というだけで家を継ぎ、弟というだけで伯爵になれない」という一点だけかもしれない。人は平等ではない、貴族であっても、というところ。でも普通、兄は兄で家を継ぐために厳しく教育されるだろうし、弟は弟でそれを支えるように育てると思うのだが・・・この家は違ったのかな。もう1代さかのぼらないと分からないわ。この時代だから、ヘルマンの憎悪に対してこの理由が受け入れられたのかもしれないし。
プログラムを見るとまだ若いみたいですね。足が不自由なおじさんを演じきっていた、しかも暗い狂気を持つおじさんよ。素晴らしい演技力だったと思います。


オイゲン公/水香 依千
ライプチヒの領主、いわゆる俗世の搾取する貴族そのままを体現した方。民衆の敵ですよね~
モール伯爵に息子のことを頼まれたのに、全然役割を果たしてなくて、友人でもなんでもないんだろうな~って思いました。


<群盗メンバー>
シュピーゲルベルク/秋奈 るい
リーベの恋人。彼だけが大学の学友ではなく、下町の貧乏人が集う酒場での知り合い。かなり虐げられた階級の出身で、金持ちや貴族に対する憎悪が潜在意識に埋め込まれているよう人物。だからカールを首領として、義賊の革命の先端手段「群盗」を作った時も、思想的には深いところで一致していなかったような気がする・・。彼の提案に対しては、カールも何度も「違う」と言っているし(でも結局はカールは丸め込まれるけど)。彼はカールの仲間ですが、カールへの無意識の嫌悪をずっと感じていました。いい芝居されますね!

シュヴァイツァー/穂稀 せり
ラツマン/愛海 ひかる
シュフテレ/雪輝 れんや
ロルラー/なつ 颯都
カールとは大学の友人で、群盗のメンバー。全員平民出身だけど、絵だ演劇だなんだらと言っているので、ブルジョワ階級の出ですね。カールが親に勘当されて意気消沈して絶望していたとき、シュピーゲルベルクが悪の道に誘っていましたが、「誰か止めてあげてよ」と思いましたわ。学友という割に、彼の人生を(自分の人生もだけど)真剣に考え、親身になって有効なアドバイスをしてあげる人が一人もいないことに驚きました。カールの人生もだけど、自分の人生も考えてないですよね。「なんかかっこいいじゃん」というノリで盗賊になっている。親兄弟はいないのかみんな?と思いました。群盗になってからも、カールはリーダーだけど、実際のところはシュピーゲルベルクに仕切らせていて、彼ら学友メンバーは特に何もしてないような。いい仲間なんだけどね、こんな深刻な事態でなければ。
それぞれに見せ場があり、名前も何度も出てきましたが、舌を噛みそうなドイツ語の名前を覚えきれませんでした。ごめんなさい。若い方ばかりですよね~お願いだからプログラムに衣装写真載せてください!と思いました。


グリム/湖々 さくら
リーベの弟で、カールが革命思想を固める決意をする大事な場面を担う方。悲劇ですが。この子が一番しっかり革命思想に共鳴して全力で二心なく参加していたと思うな。
娘役さんですよね、可愛いけど聡明な少年で、若い男役さんかと思うほどしっかりして見えました。

コジンスキー/風色 日向
追加メンバー。モール領の領民で、フランツ(とヘルマン)の方針に逆らったために追放された村の権力者の息子。だから平民とは言え良い服を着ているし、言葉遣いもちゃんとしている。
彼に触発されて、カールは里心がついて城に帰る決意をする。彼の恋人がアマーリアという名前だったのも大きいですね。(「あ、そういえばアマーリア!」って今思い出したんか!とちょっとイラっと来ましたが。)
すべてが滅んでしまったので、モール領をコジンスキーに任せてましたが、彼は彼のアマーリアと再会でき幸せになってほしいです。


<伯爵家>
カール(少年)碧咲 伊織
厳しい父と病弱ゆえに構ってもらえない母に不満があるように見えましたが、アマーリアもいて、使用人たちにも愛され、幸せな少年時代に見えました。まあありがちに父には反発してますけどね。そのくらい、誰かが意図的に拗らせなければ、大人になれば分かり合える程度。
少年時代にいろいろ彼の本質が見えるような展開があり、子役とはいえ出番の多く重要でした。幼いながら凛々しく、世継ぎとして育てられている様子がうかがえ、可愛かったです。

アマーリア(少女)陽雪 アリス
可愛らしさだけの優しいお嬢様。カールが大好きというのが良く分かりました。この時代からカールが好きなんだね。でもカールはずっと気づいてないけど。可憐で可愛かったです。

フランツ(少年)真白 悠希
子役3人では一番難しいのがフランツ。打ち捨てられた母のことを思えば、父を殴って城を飛び出したかったと思う。でも、明日からの生活を考え、すべてを胸の奥にしまい込んで、父におもねる・・この場面、すごかったです。これから始まる彼の抑圧された人生が象徴されていた。ここでカールは何も感じなかったのかな。ヘルマンだけが彼の心の声を聴いていたと思う。いや~若いのに良い芝居です。

モーゼル牧師/風輝 駿 & ズーゼル/花音 舞
伯爵家の牧師と乳母。それぞれ1場面だけ役割有り。伯爵の腹心っぽいのに、陰謀を黙って見過ごしてたみたい。。。あまり役に立たないの。善良な人だけに、陰謀の前には無力だったのだ。

シャルロッテ/はる香 心
カールの母。ほとんどセリフがないけど、その短い場面で、あまり息子に構ってないのがわかるなんて、なあ。フランツに対してはいろいろ思いもあるだろうけど、構う時間も構う気力もなかったよう。彼女が元気でしっかりして器量が大きければ、この二人はもっとちゃんと兄弟として絆を築けたと思う。悲劇は恋の三角関係がメインになり、ここまで盛大な悲劇にはならなかったのに。
弱くて、いやなことは何も見ていない感じの女性でした。

<酒場>
フロイデ/愛咲 まりあ
酒場の女将。リーベとグリムの母。酒場では元気に啖呵切ってたのだけど、その後全然出てこなくなってしまった。民衆側の代表として、カールに手のひら返した後の意見を表明してほしかったなあ。



こんな感じです。シラーへの文句と小柳先生への不満以外は特になく、役名が付いている人のほぼ全員にソロがあり、セリフがあり、すごく見ごたえがありました。またその歌にも不満なく、芹香さんが歌すごく上手くなったのね~、瑠風さん、鷹翔さんは上手いなあと思いつつ聞いてました。
衣装も装置も照明も綺麗で、フィナーレは絶品。みんなダンスが上手い!宙組ってこんなにダンスよかったのね!というほど感動した。ビシッと決まってかっこいい。芹香さんがすごくカッコよく見えた。小柳先生、一度ショーを作ってみて欲しいです。
結構良作だと思うけれど、2回見る?といわれるとうーん。重いし暗いし、最後に救いがないので、1回見たら十分ですって答えます。小柳先生の狙い通りの作品になっているので、観客(私)のほうも狙い通りの心境になりました。


まだまだ感想が溜まっておりますが、前後しつつ順次。



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パクチー

お久しぶりです。
先日観劇してきました。
私、物語についていけなかったんですよ・・・。
暗いとかそういうのではなくて、
登場人物の行動が唐突すぎて。
いきなり、群盗になっちゃう学生たち。
いきなり、裏切っちゃうリーベ。(私、リーベをあまり見ていませんでした)
いきなり、怒り出す民衆たち。(さっきまで歓喜の歌を歌ってじゃないか)
いきなり、自分を殺せというアマーリエと殺しちゃうカール。(ビックリしたあと、変な笑いが出てきました。けっこうあっさり殺したので)
フランツなんて、端っこに布が落ちてるな~と思っていたら死んでいたし。
最後のカールの叫びも、そんなに悪いことしたのか?と思ったし。(芹香さんに文句じゃありません)
物語を丁寧に追っていたらついていけなくなったという感じです。
きっと何度か見ると気が付くこともあるのかも。
音楽も、アニソンあり民謡あり、クラシックありで、
作品の空気が一定せず、混乱したまま。
私の感性が衰えているのかもしれません。
ゲームなどに慣れた若い人たちは、ついていけるのかも。

でも、生徒さんたちの熱演は素晴らしかったです。
芹香さんと凛城さん以外よくわからなかったのですが、
次の大劇場を観るのが楽しみになりました。

あと、もう一つ。
別に時代考証を厳しくいいませんが、
アマーリエの結婚衣装。
白いドレスか・・・。
白いドレスを着ていた地方もあったのだと思いましょう。
 
小柳先生は、「天河」の時もそうですが、物語をまとめる力は素晴らしいと思いますが、人物の細やかな心の動きを書くのは苦手なのでしょうか。
私は柴田先生や上田久美子先生や谷先生(ものによりますが)が好きなので、小柳先生とは相性が悪いだけなのだと思っておきます。




by パクチー (2019-02-17 10:23) 

えりあ

パクチーさん
お久しぶりです~「群盗」は2回見る気がなかったので、一回見たきりです。
小柳先生の唐突感はおっしゃる通り。「長い物語を主要なエピソード全部入れてあらすじ的にまとめる」からでしょうか?全部が雑ですね。大昔ですが、「フットルース」は元が映画でしたが、素晴らしく綺麗にまとめ一人ひとり掘り下げてあったけど・・あれは演者に上級生が多くて(芝居の上手いトップコンビ3番手だし)芝居力で雑を埋めていたのかも?と、ご指摘と「天河」とこれをみて思いました。相当芝居の上手い人ばかりを集めないと小柳作品の持つ隙間は埋められないのかもしれません。

あとリーベは結構裏切りそうな怪しい芝居をしてました。裏切りそうというか、カールの言動に感情をあらわにしていて、彼の言動次第で(鈍感男だし)裏切るなあって予感はありました。
学生と民衆のノリは全く分かりません・・・。
何より一番大事な陰謀の根底ヘルマンの心情が全然理解できませんでした。自分の娘も不幸にしてるし何がしたかったの?と。

音楽はアニソンあったんですね!アニソン知らないからわからなかった。あの時代の結婚衣装はどんなのでしょう?白ではないんですね・・まあ現代人から見たら分かりやすいし、その他の衣装も「それっぽい」で適当なんでしょう(笑)それっぽければよいですよね、宝塚だし。まだゲーム風コスチュームでないだけ良いわ(と最近思います)
by えりあ (2019-02-17 15:12) 

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